住宅の瑕疵補償の記事一覧

10年保証についてちょっと一言~その2

基礎が傾き床が斜めになり、ボールが自然に転がっていく、よく聞く話ですが、この状態を直すには下がった基礎から直さなければならないのですが、たいへん費用がかかります。
10年保証によって補修義務があるハウスメーカーにとっては、喜んで直します・・・・・というものではありません。

そこで、補修の義務があるかどうか、傾いている度合いによって基準を設けて判断しています。
その基準とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年6月23日公布)で定める、住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準(平成12年建設省告示第1653号)には、傾斜の度合いが6/1000であれば、『瑕疵とみなされる可能性が高い』ですよと書かれています。

この技術的基準はこちらから見ることが出来ます。
(国土交通省のウェブですが、下の画像のページになりますので、赤いラインの部分をクリックして下さい)

6/1000とは、8帖間の一辺の長さは3.6メートルですから、高いところと低いところで、2.16センチの差があると、欠陥と考えられるということです。
逆に言うと、2.16センチ以内であれば、欠陥ではない・・・・・補修しなくてもよい!
と判断されます。

8帖間で2.16センチですからかなりの傾斜です。これが2.15センチであれば欠陥ではないということになるのです。

法律には2つの側面があります。
消費者保護の側面と、もうひとつは産業の育成です。

6/1000はあまりにも甘い基準です。
ところが、この基準を厳しくすると、技術レベルの低い会社が建てた住宅は、ほとんど欠陥住宅になってしまい、小さい会社だと倒産してしまいます。

そこで『もうこれ以上は我慢できない!』という限界、これを受忍限度と言うのですが、つまり忍耐の限度を高くすることによって、工事会社を守るという側面があるのです。

将来的に、この基準が厳しくなることは無いとは言えないのですが、その為には『3/1000を超えると生活に支障が出る』という事例がたくさん出てこないと、改正はされないかも知れません。

昨年のことですが、とある大手ハウスメーカーで建てた方から相談がありました。
基礎が沈下して傾斜があるのですが、3/1000ぐらいなのです。

毎年少しずつ沈下しており、今のところ沈下は止まっていません。
ハウスメーカーとしては、6/1000以上になると補修しないといけませんが、まだそこまではいってないので、定期的にレベル測定をやっているわけです。

10年保証の期限までは、あと4年ぐらいです。
ハウスメーカーは、こう思っているかも知れません。
6/1000の手前で止まってくれ!

下がった基礎を持ち上げるにはこんな方法があります。
もぐら工法
費用のかかる方法です。
出来れば補修したくない気持ちが分からないわけではありませんが・・・・・
それでいいんでしょうか・・・・・?

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2009年04月25日
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カテゴリ: 住宅の瑕疵補償

10年保証についてちょっと一言~その1

引渡しを受けた後に、住宅メーカーや分譲事業主が倒産してしまう。すると10年保証ってどうなるのか、すごく不安になります。
今日は、10年保証についてちょっと違う視点からお話ししたいと思います。

以前のご質問はこんな内容だったのですが
参照 ⇒ 売主業者が倒産してしまいました~一戸建てってどうよ? 08.05.13

回答では、あまり心配いりませんよ! みたいなことを書いたのですが、住宅の10年保証というと、なにもかもが保証されていて、何があっても安心! というものでは無いのです。

まず、10年保証の対象範囲は限られています。
参考 ⇒ 10年保証の範囲は?

10年保証は、構造上重要な部分と雨漏れについてなのですが、確率としてはすごく少ないケースなのです。

基礎についての保証事例ということでは、基礎本体の欠陥は、よほどの悪質な手抜き工事をやらない限りおこるものではありません。むしろ軟弱地盤対策が完全ではなく、基礎が沈下して家が傾くという事例が見られます。

工事前に地盤調査を行なう事はあたり前になっていますが、調査方法と地盤強化対策に問題があるということがあり、このあたりの事情を少しお話しします。

基礎に関係する10年保証

地盤の調査方法は、一般的にはスウェーデン式サウンディング法という調査を行ないます。
この調査方法は、直径2センチぐらいの鉄の棒を回転させながら地中に入れていき、25センチ埋まるのに要した回転数と、回転しながら棒が入っていく時の音によって、地質の種類と強度を推測する方法です。

大規模な工事の調査で行なわれる標準貫入試験に比べると、安価で短時間で調査ができるため、住宅の工事ではほとんど行われている方法です。

先ほど書いたように、この調査方法は土質のサンプルを採取するわけでは無いので、あくまでも推測結果であるということです。

次に地盤の強化方法ですが、支持地盤まで杭を打設することが望ましいのですが、支持地盤が深い場合や、敷地の立地条件によって、杭打ちに代わる、地盤改良工事によって地盤強化を行なうこともあります。

この方法は、直径60センチぐらいの穴を掘っていき、掘り出した土とセメントミルクを混ぜたものを、掘った穴に埋め戻す方法です。
最近になって、この方法によって地盤を強化した住宅が、沈下してきたという報告を聞いています。

スウェーデン式サウンディング法にしても、地盤改良工事にしても、いずれも本来の望ましい方法から見ると、代替方法でしかありません。
しかし、コスト面を考えると仕方の無いことだと思います。

こんな事情から、きちんとやったはずなのに家が傾いてしまった。
ということが起こり得るのですが、これに対しての10年保証の適用が、簡単には進まないのが実態です。

このつづきはまた明日!

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2009年04月24日
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