購入した中古住宅に欠陥が

築30年の中古住宅が、最近流行のリノベーションで、まるで新築同様になった住宅・・・この住宅を購入した方が、入居を始めて間も無く目眩を感じるようになりました。

原因は住宅の傾きです。
床が傾いているのは当然ですが、窓枠や建具なども傾いています。

人間は地球の重力による影響を受けており、垂直なものは垂直であると脳は理解しています。
ところが、本来垂直であるものが斜めになっていると、自律神経系に変調がおき目眩となって表れます。
傾いた建物が人体に与える影響は、非常に大きなものなのです。

さて、この住宅を購入した方は、何とかこの状態を解消したいと思っていますが、方法は2つしかありません。

  • 住宅の傾きを直す
  • 契約を解除し売主に買い取ってもらう

以上の方法です。

住宅の傾きを直すには数百万円の費用がかかります。売主の責任で工事を行ってもらわなければなりません。
このリノベーション住宅の売主は宅建業者ですので、瑕疵担保責任があります。
修正工事を行うにしても、買い取ってもらうにしても、売主に金銭的な裏付けが無いとどちらも不可能な話です。

売主の立場で考えると、せっかく売却できたのに『今さら冗談ではない』となります。
そこで、民事訴訟をおこして解決を計ることになるのですが、その時の心構えみたいな話を・・・・


まず、裁判所がどのような判断を下すかを予測してみますと。

契約を解除し、売主は買主に受領した代金を返還するように、との判決は極めて難しいと思います。
理由としては、両者の主張が対立する時には、一方の主張を全面的に認めることはしません。裁判所の役割とは仲裁をすることと考えておく方がよいのです。
そして、一方の責任を認めたとしても、より負担の少ない方法を選択しようとする考え方があります。
刑事事件と異なり、白黒をはっきり付けるという判断はあまりしないのが民事訴訟の特徴です。

つまり、最終的には和解勧告によって、金銭的にどこかで折り合いを付けるようにもっていきます。


裁判所の判断が最終的にはこのような判断になる、と予想した上で訴訟戦略を考えていかなければなりません。

契約解除を求めながら、修正工事に見合う金額で妥協を計る。
契約解除は主張せず、始めから修正工事を要求していく。

この2つの戦略があると思いますが、どちらで進めるかは弁護士の考え方によると思います。
弁護士によっては『あくまでも、契約解除でもっていく』という強気の人がいるかもしれません。最初のうちは意気込みは強い方がいいですから、それもありだと思いますが、最後まで『契約解除』一本で考えていると、相手の抵抗が激しいだけにストレスも強く、どこかで妥協を計ることを考えておいた方が、妥協のタイミングをずらさずに行なうことができます。


妥協のタイミングは、売主の金銭的な条件が整った時だと思います。
売主は修正工事代金を負担するにも、買取をするにしても、自己資金でまかなうことが出来なければ、銀行借り入れしかありません。

売主と銀行との関係がどの程度のものかによって、準備できる金額にも違いが出てきます。
しかし、このことは当事者である売主にしか分からないことです。

銀行との交渉具合が裁判での売主の主張にも影響を与えます。
時に『まったく誠意がない』と感じる弁論が為される場合がありますが、それは、資金の目処が立たず、結審されては困るという事情があってのことでもあるわけです。


裁判での成行は、結果的には売主の資金目処が立てば、どこかで決着しますし、立たなければいつまでも結論が出ずにずるずると長引くことにもなります。

責任を感じているとか感じていないということとは別に、資金の裏付けによって、解決が早いか遅いかの違いとなってしまいます。

裁判は、すごく遅いテンポで進みますので、ストレスが大変たまります。