10年保証についてちょっと一言~その1

引渡しを受けた後に、住宅メーカーや分譲事業主が倒産してしまう。すると10年保証ってどうなるのか、すごく不安になります。
今日は、10年保証についてちょっと違う視点からお話ししたいと思います。

以前のご質問はこんな内容だったのですが
参照 ⇒ 売主業者が倒産してしまいました~一戸建てってどうよ? 08.05.13

回答では、あまり心配いりませんよ! みたいなことを書いたのですが、住宅の10年保証というと、なにもかもが保証されていて、何があっても安心! というものでは無いのです。

まず、10年保証の対象範囲は限られています。
参考 ⇒ 10年保証の範囲は?

10年保証は、構造上重要な部分と雨漏れについてなのですが、確率としてはすごく少ないケースなのです。

基礎についての保証事例ということでは、基礎本体の欠陥は、よほどの悪質な手抜き工事をやらない限りおこるものではありません。むしろ軟弱地盤対策が完全ではなく、基礎が沈下して家が傾くという事例が見られます。

工事前に地盤調査を行なう事はあたり前になっていますが、調査方法と地盤強化対策に問題があるということがあり、このあたりの事情を少しお話しします。

基礎に関係する10年保証

地盤の調査方法は、一般的にはスウェーデン式サウンディング法という調査を行ないます。
この調査方法は、直径2センチぐらいの鉄の棒を回転させながら地中に入れていき、25センチ埋まるのに要した回転数と、回転しながら棒が入っていく時の音によって、地質の種類と強度を推測する方法です。

大規模な工事の調査で行なわれる標準貫入試験に比べると、安価で短時間で調査ができるため、住宅の工事ではほとんど行われている方法です。

先ほど書いたように、この調査方法は土質のサンプルを採取するわけでは無いので、あくまでも推測結果であるということです。

次に地盤の強化方法ですが、支持地盤まで杭を打設することが望ましいのですが、支持地盤が深い場合や、敷地の立地条件によって、杭打ちに代わる、地盤改良工事によって地盤強化を行なうこともあります。

この方法は、直径60センチぐらいの穴を掘っていき、掘り出した土とセメントミルクを混ぜたものを、掘った穴に埋め戻す方法です。
最近になって、この方法によって地盤を強化した住宅が、沈下してきたという報告を聞いています。

スウェーデン式サウンディング法にしても、地盤改良工事にしても、いずれも本来の望ましい方法から見ると、代替方法でしかありません。
しかし、コスト面を考えると仕方の無いことだと思います。

こんな事情から、きちんとやったはずなのに家が傾いてしまった。
ということが起こり得るのですが、これに対しての10年保証の適用が、簡単には進まないのが実態です。