2020年には本格化するIoT住宅を使いこなす為の必須知識

住宅とITの関わりは今後ますます密接になることが予想されています。
IT技術が住宅の設備や装置などに導入され、これまでの住宅では感じることの出来なかった利便性が生まれてくる可能性がある一方、急速な変化が思いもよらぬトラブルを招くこともあり、大きな過渡期を迎えている今日、住宅に関わる技術者として抑えておきたいポイントを考えてみたいと思います。

IoTが便利にする住宅と生活

現在すでに導入されているIoTを活用した住宅設備の現状をまず見ていきたいと思います。

こういったモノに人工知能が組み合わさったり、IT技術との連携によってモノ単独の機能では考えられないような働きをします。

Amazon、Google、LINEなどが進めている“AIスピーカー”は、ユーザーの声による指令に従って、住宅内での家電や設備機器の制御を行います。

アメリカでは既に、人間の声による指令も必要としない住宅設備の制御を、AIによって行う住宅が販売され、その技術は日本にも上陸しています。

参照 》》 CASPAR

国内でもミサワホーム、大和ハウスがIoTハウスの研究開発を進めています。さらに奈良県の地場工務店SOUSEIは、自社で開発したIoT住宅基本ソフト「v-ex(べクス)」を全国の工務店に普及する活動を開始しています。

人間が照明や暖房のスイッチを入れたり、排せつ物を分析して健康状態をモニタリングする便器など、10年前には考えられなかったような住宅が、日本中に建てられる時代がもうすぐそこまで来ています。

建築技術者だけでは役割を果たせないIoT住宅

これまで住宅を造る技術者と言うと、設計・工事監理は建築士が、施行管理は施工管理技士が行ってきました。 実際の工事においては、各工事の主任技術者をはじめ、住宅工事に精通した職人集団が高い技術力で住宅を造ってきたのが日本の住宅です。

IoT住宅が現実のものになると、従来の建築関係技術者だけでは住宅を造れません。 箱としての住宅は出来ても、IoT住宅に組み込まれている様々なコントロールシステムが動かないからです。

IoT住宅を制御する基本ソフト(OS)のインストール、住宅設備や家電を制御するアプリケーションソフトのインストールと基本OSへの設定など、パソコンを新規導入して各種アプリケーションの設定を行い、プリンターなどのハードウェアとのネットワークを構築するような作業が、新築住宅に住み始める時に必要になります。

建築技術者にIT技術者が加わったフォロー体制が出来ていないと、住宅を引き渡されても生活ができない・・・こんなことが起こります。

ハウスメーカーや工務店には、ITに詳しいスタッフが常勤し、ユーザーからの問合わせや引き渡し後のアフターフォローなど、場合によっては24時間体制の顧客対応が必要になることもあると思います。

便利になると危険も増えるITの世界

IoT住宅がこれまで体験したことの無い便利な生活を提供するようになりますが、一方で目に見えない危険が待ち受けていることも忘れてはなりません。

IoT住宅に組み込まれたいろんなハードの制御プログラムは、個別の住宅に設置されたCPUが動くわけではありません。 ネットワークでつながったクラウドコンピューターが主体になります。

AIスピーカーの人工知能がデータを蓄積し、制御機能の正確性を徐々に高めるのもクラウドコンピューター内でのことです。

ネットワークはWi-FiやBluetoothによって構築されますので、ルーターなどのセキュリティがこれまで以上に重要になります。

サイバー攻撃を受けると冷蔵庫の温度設定が狂ったり、玄関ドアの解錠が他人に勝手にされたり、日が昇ると点灯し日が暮れると消灯する照明器具など、これまでは普通に人間がコントロール出来ていたことが、狂ってしまうことがあるかもしれません。

OSがマルウェアに乗っ取られ、OSごと交換しないと住宅設備や家電が使用できなくなることもあり得ます。

たった一つの家電や端末に脆弱性があるだけで、サイバー攻撃を受ける侵入口になる可能性があり、セキュリティ対策をする為には、ネットワークに接続している家庭内のあらゆるものを点検し、危険性の把握が出来るような知識を持つ必要も出てくるのではないかと思っています。



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