しかしこれは大いなる誤解であって、売主が業者であっても個人であっても、実は価格に違いがないことを解説します。
中古住宅の販売価格と消費税についての誤解
土地には消費税はかからないが、建物には消費税がかかります。土地は消費されるものでありませんが、建物は経年により価値が下がり消費されるものだからです。
消費税は事業者に課税される税金であり、マイホームを売却する個人は事業者でないことが、この誤解を生む根本的な理由になっています。
中古住宅の販売価格はこのように決まっている
中古住宅の消費税についての誤解が生まれるのは、中古住宅の販売価格を決めるプロセスをほとんどのかたがご存じないことが原因です。
中古住宅の価格はこのようにして決まります。
販売価格を決める手順 | 具体例 |
---|---|
① 土地+建物の総体金額を決める | 2,000万円 |
② 土地と建物に金額を分解する | 土地1,000万円、建物1,000万円 |
③ 建物金額から税抜き価格を逆算する(10%) | 1,000万円÷1.1=909万円 |
④ 税抜き価格に税率を掛けて消費税を検算する | 909万円×0.1=90万9千円 |
⑤ 端数を考慮して本体価格を調整する | 本体価格=909万1千円 |
⑥ 価格に消費税を記載する | 販売価格2,000万円(内消費税90万9千円) |
*リフォーム済の物件では、リフォーム工事代(消費税込み)を含んだ建物価格を最初に決めておきます。
このように消費税はあとづけで計算するので、 “消費税がかからないといわれている売主が個人” の場合は消費税の記載をする必要がないので、このような面倒な計算はしていません。
つまり販売価格は消費税があってもなくても2,000万円に変わりはないのです。
消費税がかかるorかからないの嘘
では個人が売主の中古住宅は、なぜ “消費税を記載する必要がないのか? ” その答えは簡単で、個人が住んでいたマイホームを売る場合は事業ではないからです。
消費税の課税対象は「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等及び外国貨物の引取り」と規定されており、事業者が対象となっています。
個人が中古住宅を売却することは “事業” に該当しないので課税されません。したがって建物金額に消費税が含まれていないと解釈するわけではありません。課税されないので記載する必要がないのです。
また不動産会社が販売目的で個人所有の中古住宅を買取るケースがあります。不動産会社が販売するときには、建物価格に消費税が含まれ課税されるので、『中古住宅の販売価格はこのように決まっている』で説明したように販売価格を決め消費税を算定します。
買取る時点では非課税対象の取引ですが、転売目的の取得では転売時に「仕入税額控除」が適用される場合があり、買い取る建物価格を本体価格と消費税額に区分して記載することがあるので覚えておきましょう。
ついでに個人が売主でも消費税が課税されるケースがあるので付け加えておきます。
- 売主が消費税課税業者の個人事業主の場合
- 売主が賃貸事業を副業でおこなっており2年前にも1,000万円以上の物件を売却している場合
ただし、この場合でも売買価格の決め方は説明したとおりなので、消費税が余分に加算されるわけではないことを理解しておいてください。
中古住宅の価格は課税非課税に関係なく同じ
前2項で説明したように “中古住宅の価格は課税非課税に関係なく同じ” です。
ところが消費税が課税される場合とされない場合で異なるものがあります。
「仲介手数料」は消費税が課税された不動産の売買では、売買金額から消費税を差引いた金額が仲介手数料を計算する対象です。
『中古住宅の販売価格はこのように決まっている』で掲載した事例では、仲介手数料は次のように計算します。
(売買価格2,000万円-消費税90万9千円)×3%+6万円=税抜き手数料63万2千730円
消費税が課税されない場合の仲介手数料は以下です。
売買価格2,000万円×3%+6万円=税抜き手数料66万円
課税物件のほうが手数料が安くなります。
新築住宅の消費税はどんな場合でもかかる
新築住宅は注文住宅であっても建売住宅であっても消費税は課税されます。
どちらも住宅を提供するのは事業者なので、注文住宅は請負契約になり、建築工事費に必ず消費税が加算された金額が契約金額。建売住宅は建物分に対し消費税が含まれた金額が売買価格になります。
注文住宅は不動産会社が仲介することはあり得ませんが、建売住宅は不動産会社の仲介により購入するケースがあります。その場合は仲介手数料を確認しましょう。したが仲介手数料の計算式です。
建売住宅の仲介手数料(税抜き)=(税込物件価格-建物分の消費税)×3%+6万円
売買価格以外の費用にも増税の影響が
消費税が10%になり、不動産売買に関係するいくつかの費用には高くなったり、増税の影響を受けるものがあります。
- 仲介手数料
- 不動産会社の事務所には「報酬額規定表」が掲示されています。消費税アップに伴い内容が変わります。
200万円以下の金額 100分の5.5 200万円超~400万円以下の金額 100分の4.4 400万円超の金額 100分の3.3 - 登記費用
- 所有権移転費用などの登記費用は「登録免許税」と「司法書士報酬」の合計額です。消費税増税により司法書士報酬はわずかですが上がります。
- 住宅ローン事務手数料
- 住宅ローンを扱う金融機関に「事務手数料」を支払うのが通常ですが、手数料にも消費税が課税されており、わずかですが高くなります。
- リフォーム工事
- 中古住宅の引渡し後におこなうリフォーム工事、当然ですが消費税が課税され2019年10月1日以降の工事引き渡しは消費税10%に増税です。
消費税アップにより変わる制度の内容
消費税10%により変更される制度があります。
- 住宅ローン控除
- 住宅ローン利用者が支払う所得税から、一定割合を控除できる期間が3年延長され13年に変更されます。
- すまい給付金
- 現在最大30万円給付される “すまい給付金が” 最大50万円に増額です。
- 次世代住宅ポイント制度
- 新築やリフォームでポイントが付与される “次世代住宅ポイント制度” が創設され、新築で35万円相当、リフォームで30万円相当となります。
- 贈与税非課税枠
- 住宅資金の贈与税非課税枠が拡大され3千万円に。
消費増税の負担増緩和のため、いろんな軽減措置がとられます。申請しなければ適用されないので、忘れないようにしてください。
よい物件ほど表には出てきません、なぜなら、誰もがほしがる物件は売れてしまうのも早いもの。
希望を叶えるには、未公開物件を紹介してくれる不動産会社を見つけることが先決です。
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