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大和ハウスのミゼットハウスの技術は現在の「xevo(ジーヴォ)」にまでつながっていた - MyhomeData

大和ハウスのミゼットハウスの技術は現在の「xevo(ジーヴォ)」にまでつながっていた

大和ハウス工業はハウスメーカーのトップグループの一員ですが、住宅だけでなく商業店舗開発や都市開発も行う、デベロッパーとしての顔も持っています。国内外にグループ会社317社を持つ巨大企業グループとして、売上高3兆7,959億円は建設業界トップの業績です。
そんな大和ハウスがこんな大成長を遂げた出発点が“ミゼットハウス”でした。

このページではミゼットハウスから始まった大和ハウス工業の鉄骨テクノロジーが、現在にもつながっているというお話をしようと思います。

大和ハウスのミゼットハウスとは

パイプハウスの開発を行い創業してから4年後の1959年、ミゼットハウスが生まれました。10年ほど前から始まっていたベビーブームによって日本の人口はどんどん増加し、それに伴い住宅不足な深刻なものとなっていました。
大和ハウスばかりでなく、ミサワホームや積水ハウスなどのハウスメーカー先発企業が創業したのは、社会問題ともなっていた住宅不足の解消が目的でした。

住宅不足の解消が目的ですから、この時代に求められた住宅の姿は次のようなものです。

  • 早くしかも安く作ることができる
  • 品質が安定していること

この要求に応えられるものがプレハブ住宅(現在の工業化住宅)でした。

ミゼットハウスはこれまでの鉄骨造の建築物を作る方法とは異なっていました。
鉄骨造の構造物は次の3種類の方式があります。

  • ラーメン構造
  • ブレース構造
  • トラス構造

ミゼットハウスの構造体となる“軽量型鋼”の場合は、下の絵のようなブレース構造が一般的です。

ブレース構造

柱に加わる水平の力によって起こる変形を防ぐために、隣り合った柱間にブレースという斜めの部材を取付けます。
ところが、ミゼットハウスの場合は、水平力(地震や台風などの横方向の力)による変形を防ぐ為に、変形しにくいパネルを柱と柱の間に設置する方法を採りました。

パネル構造

この考え方は後に、1981年に開発した独自の耐震技術である“トリプルコンバインドシステム”となり、そして現在の“xevo(ジーヴォ)”へとつながっています。

ミゼットハウスはマーケティングに優れていた

量的な住宅不足に加え、子供部屋(勉強部屋)が少ないという当時の住宅事情に着目し、“もう一部屋”を簡単に作ろうというコンセプトが消費者に受け入れられ、子供部屋に限らずプラス1の部屋として、台所やトイレなどの要望も増加し、造るモノから買うモノへと住宅が変化した瞬間でした。

ミゼットハウスが売れた理由にはもう一つ大きなものがありました。

建築確認申請の必要がない6畳間という大きさだった!

建築確認申請は増築の時も必要です。但し、防火地域・準防火地域以外の場合は、増築する面積が10㎡以下(6畳以下)であれば申請の必要はありません。
一般の住宅地であれば何の手続きをすることも無く、購入して組立ることが可能だったのです。しかも組立て時間は3時間という画期的な早さが人気の原因でした。

ミゼットハウスは、創業商品の「パイプハウス」と共に、未来技術遺産(重要科学技術史資料)として、平成23年に登録されました。
その理由として次のように記載されています。

ミゼットハウスはC型鋼の柱に木桟パネルをはめ込んで壁とした構造で、勉強部屋などの離れとして用いられた。3時間で建つ11万8千円の家として爆発的な売れ行きを示した。日本で花開いたプレハブ建築技術の先駆けとして貴重である。
産業技術史資料情報センターより

xevo Σ(ジーヴォシグマ)はまったく新しい考え方で生まれた

2014年から販売された「xevo Σ(ジーヴォシグマ)」
“天井の高い家”としてコマーシャルで謳っていますが、この商品の特徴は持続的耐震性です。

大きな地震にも耐えられるような設計がされているのは、現代の住宅であれば、どのハウスメーカー、どの商品でもおなじですが、震度7クラスの巨大地震が30年間に2度襲ってくるということもあります。

大きな地震に耐えられたとしても、構造部材にはある程度の負担による影響は残ります。
部材にわずかな疲労が残り、2度目の大きな地震で深刻なダメージを受けるということもあります。

この危険性はどのような構造方式でも同じことが言えます。

「xevo Σ(ジーヴォシグマ)」は、ミゼットハウスの系譜ともいえる「xevo」と異なり、ブレース構造になっています。
大きな工夫がされているのが、柱脚部分です。

引張力が働くブレース構造では、ブレースの応力が柱の接合部で柱に対し面外応力を生じさせます。
大きな地震では、ブレースそのものの破断は無いですが、接合部での柱の損傷は深刻な被害をもたらします。
特に柱脚部分は引き抜き応力も生まれる部位なので、耐力壁の配置バランスによっては、構造的な弱点となってしまう柱もあります。

そのような柱に2度目の大きな地震が来た場合、当初の耐震性能を期待することはできません。

そこで考えられたのが、柱脚部分に発生する応力を吸収する仕組みです。
「xevo Σ(ジーヴォシグマ)」で使われる「D-NΣQST」の形状を見ると、何となく地震力が低減されることが想像できるようです。

xevo Σ

ミゼットハウス以来の軸組+パネル構造から、もう一段上に進んだように見える大和ハウスです。

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