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賃料の支払い方法が前払いで一般化している理由はなにか

賃貸借契約にもとづく住宅の賃料支払いの時期は“翌月分賃料を当月末までに支払う”前払い方式になっていることが一般的です。俗にいう「前家賃」という方式ですが、賃貸人と賃借人の双方にとってどんなメリットやデメリットがあり、そもそも何故?前払いが一般的なのかについて考察した結果です。

賃料の支払い方法について法的に明文化されているのは、民法の第614条(賃料の支払時期)です。
「賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない。ただし、収穫の季節があるものについては、その季節の後に遅滞なく支払わなければならない。」
と定めています。

賃料の支払いは前払いが一般的

民法では賃料は毎月末に支払わなければならないとされており、前払いか後払いかについては定めていません。
前払いか後払いは賃貸借契約において自由に決めてよいわけです。

宅建協会の契約書ひな形では、「翌月分を毎月 日まで」と記載されており、27日とか28日とか末日などと自由に決めることができますが、翌月分をと冒頭にあるように、前払いが前提の契約書になっています。

よほど特殊な場合を除き、賃料の支払いは前払いが通常と言っていいでしょう。

では、賃貸人と賃借人の双方にとってメリットやデメリットを見ていきます。

賃料の前払いに関して賃貸人のメリットとデメリット

前払いが一般化しているのは賃貸人の都合と言っていいでしょう。
万が一、賃料の延滞があった場合は当月中に催促をすることができ、当月中に賃料を回収できると滞納を防ぐことが出来ます。後払いでは翌月になって延滞が分かるので既に1ヶ月分の滞納となっており、当月分の賃料の心配をしながら、前月分の回収をしなければなりません。

賃料の滞納が大家さんにとって最大の悩みです。
前払いにすることによって滞納リスクを少なくすることができています。

賃料の前払いは、賃貸人にとってメリットしかなくデメリットはありません。

賃料の前払いに関して賃借人のメリットとデメリット

アパートや借家など賃貸住宅に入居するときには“初期費用”というものがかかります。

敷金・礼金・前家賃・仲介手数料・室内清掃料・消毒料などが一般的ですが、「前家賃」が入居月の賃料になります。

例えば4月10日からの契約を締結する場合は、4月10日~4月30日までの賃料を契約時に支払います。
4月25日入居の契約など、契約開始日が月末に近い場合は、4月の6日間と5月分の賃料を合わせて前家賃として支払うように求められることもあります。

前払いのデメリットは初期費用が高くなることが挙げられます。

反対にメリットも前払いにはあります。

退去するときには既に退去する月の賃料は支払い済なので、賃料以外の清算金の支払いで退去できます。
月の途中で退去する場合でも、退去予告通知は1ヶ月前にするよう決められているので、賃料を払い過ぎた状態で退去するようなことはありません。

前払いのメリットは退去費用が安くなることが挙げられます。

滞納の防止は素早い回収行動

払いは賃貸人にとって大きなメリットであると書きましたが、延滞があった場合は遠慮せず、1日遅れただけでも催促をするのが、滞納防止の鉄則です。

「まだ一日だから」とか「一週間ぐらい待ってみよう」と考えることが、滞納者を生み出す大きな原因です。

家賃は期日までに支払うことが入居者の本来の心がまえです。
“少しぐらい”とか“一回ぐらい”という甘さが後々、一か月遅れが当たり前という滞納常習者を生む原因です。

家賃を滞納する人は、他にも支払先がいろいろあって、「遅れると煩い」ところを優先して支払っていることが多いものです。
甘い対応をしていると「家賃は遅れても大丈夫」とされてしまい、一ヶ月滞納が2ヶ月、3ヶ月となっていきます。

3ヶ月滞納状態となると、契約解除・強制退去の範疇に入ってきますが、民事訴訟による解決を図るにはいろいろと準備が必要です。
滞納状態が続くようになってしまうと、解決するまでに何年も続いたり、滞納金を残したまま自主的に退去するまでにじっと待たなければならないこともあります。

前払いによる契約を締結しているメリットを活かすには、延滞があった場合、素早く回収の行動を取ることが大切です。

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