容積率の緩和と建蔽率の緩和を受けられる条件

建築基準法や都市計画法には、住宅を建てる際のいろんな規制が定められています。
特に面積に関する規制については、専門家でなくても分かりやすい面があり、よく知られていることですが、容積率・建蔽率の緩和規定となると、いまいちよく分からないということもあります。
ここでは、そのような面積制限の緩和についてまとめてみました。

容積率の緩和規定

容積率の緩和規定とは、延床面積に加算されるけれど容積率の計算では除外されることを意味しています。

駐車場や駐輪場、地下室、小屋裏やロフトには、一定の条件を満たしていると容積率の計算には、床面積として算入しなくてよいとされています。

駐車場・駐輪場
延床面積の1/5までは算入しなくてよい。
延床面積が100㎡の建物で、駐車場床面積が25㎡の場合は、100㎡の1/5=20㎡までは不算入となるので、容積率計算の床面積は80㎡となります。
延床面積が200㎡の建物で、駐車場床面積が25㎡の場合は、200㎡の1/5=40㎡なので、駐車場床面積25㎡が不算入となり、容積率計算の床面積は175㎡となります。
地下室
地下室面積緩和

天井の位置が地盤面から1m以下で、床面が地盤面から天井高の1/3以上下がった位置にある場合に、地階の面積を含めた住宅部分の延床面積の1/3までは容積率計算の際に不算入になります。
地階と1階と2階がそれぞれ50㎡の場合、延床面積は150㎡であり、その1/3は50㎡ですから、地階はすべて容積不算入となります。

小屋裏・ロフト
天井高が1.4m以下で、直下の床面積の1/2未満の小屋裏やロフトは階数に算入しないので、床面積にも参入しません。
この規定は“容積率の緩和”では無く、階数の不算入になります。

マンションの建替えに適用される容積率の緩和特例

平成26年12月24日に施行された「マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律」では、認定を受けたマンションの建替えに対し、一定の条件を満たすと特定行政庁が容積率の緩和を許可できるようになりました。

全国の特定行政庁では「改正マンション建替え法」に基づく、容積緩和に関する取扱要綱のとりまとめを行っています。

平成29年1月23日時点の国土交通省の調査結果によると、許可基準をウェブサイトで公表している特定行政庁と取扱要綱などは以下です。

特定行政庁によって容積率制限の緩和に加えて特例を設けている自治体もありますが、マンション建替型の緩和規定が適用される共通の基準は次のようなものです。

  1. 敷地面積の最低限度
    • 第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域:1,000 ㎡
    • 第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域:500 ㎡
    • 第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域:500 ㎡
    • 準工業地域又は工業地域:500 ㎡
    • 近隣商業地域又は商業地域:300 ㎡
  2. 前面道路の幅員
    • 近隣商業地域又は商業地域:8m
    • 上記以外の用途地域:6m
  3. 基準を満たす公開空地を設ける

参照 》》 国土交通省【容積率の緩和特例について(マンションの建替え等の円滑化に関する法律第105条第1項関係)】

建蔽率の緩和

建蔽率の緩和規定とは、建築面積として算入しなくてよいという規定です。
地下室やカーポートに適用されるケースがあります。

カーポート
カーポート面積

天井高が2.1m以上あり、柱の間隔が2m以上で、壁の無い部分が連続で4m以上ある場合は、カーポートの屋根先端から1m以内の部分は建築面積に算入しません。

地下車庫
傾斜地などで地下に車庫を造った場合に適用されるケースがあります。
地盤面から1m以上下がった位置にあると建築面積に算入されません。

角地などに適用される建蔽率の緩和

建築基準法第53条第3項の2には次のような記載があります。

街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物

この条件に合致する場合には、建蔽率が10パーセント増加します。

“街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地”は特定行政庁が指定するわけですが

  • 敷地が角地になっている
  • 角地では無いが二方向に道路がある
  • 道路は一方だが公園が隣にある
  • 角地緩和の条件に満たない道路の向かいに公園がある

などのように“これに準ずる敷地”というものがあります。

建蔽率の緩和については自治体が指定しますので、お住いの自治体で確かめてみて下さい。



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