「土地区画整理法」に関して説明すべき重要事項と法律の背景

土地区画整理事業中の不動産売買では、土地区画整理法による制限や規定の説明が必要です。
全147条まである分量の多い法律ですが、重要事項説明で必要な部分はわずかです。ここでは土地区画整理法の解説をします。

重要事項説明で必要な土地区画整理法の項目は以下の部分です。

  • 建築行為等の制限-第七十六条第一項
  • 仮換地の指定の効果-第九十九条第一項及び第三項
  • 使用収益の停止-第百条第二項
  • 住宅先行建設区における住宅の建設-第百十七条の二第一項及び第二項

土地区画整理法最終更新:平成29年6月2日公布

土地区画整理事業の目的と概要

土地区画整理事業とは都市計画区域内で市街地の形成を行うもので、土地の区画形質の変更や公共施設の新設または変更を行います。
広い更地を新たに開発するケースもあれば、既存の街の区画を対象にして区画の再整備や道路の変更、公園の新設などをすることもあります。

事業を行うことのできるのは

  • 土地の所有者又は借地権のある人(一人でもできる)
  • 土地の所有者又は借地権のある人の同意を得た人
  • 宅地の土地の所有者又は借地権のある人の同意を得て事業を行うことが出来るのは次のような人・組織です。
    • 独立行政法人都市再生機構
    • 地方住宅供給公社
    • 土地区画整理組合
    • 所有権又は借地権を有する者を株主とする株式会社で要件を満たした会社
    • 国土交通大臣、都道府県、市町村
    • 都道府県の認可を受けた個人

とされています。

区画整理事業区域内で所有又は借地権を有する土地は、事業の前と後では所在や面積が変わります。
以前あった場所から違う場所へと所有地が変わるのですが、これを“換地”と言います。

換地については「土地の表示に記載すべき「仮換地」「保留地予定地」とは何か」を参照し下さい。

土地の表示に記載すべき「仮換地」「保留地予定地」とは何か
重要事項説明書に記載する不動産の表示。土地の欄に「仮換地」と「保留地予定地」の記入欄があります。 宅地分譲が盛んに行われていた頃は、「仮換地」や「保留地予定地」はよく売買する対象になることも多かったのですが、新規の宅地開発が大幅に...

土地区画整理事業内の土地に関する制限

土地区画整理事業区域内の土地の取引に際しては、冒頭に書いたように重要事項説明の中で説明すべき項目が宅建業法で決まっています。

建築行為等の制限-第七十六条第一項
土地区画整理事業は、国土交通大臣か都道府県知事又は市町村長の許可を受けて行う事業です。この第七十六条第一項で定めている制限は「土地区画整理事業が認可されてから換地処分が完了するまでは、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築、さらに、簡単に移動できない物の設置や堆積はできません。もし行う場合は、それぞれ土地区画整理事業の許可権限者の許可を受けなけれなりません。」
仮換地の指定の効果-第九十九条第一項及び第三項
この項目はすごく分かりづらいので、まず条文を記載します。
*本文の( )内の文章は分かりづらいので省略します。

  • 第99条第1項 
    前条第一項の規定により仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から第百三条第四項の公告がある日まで、仮換地又は仮換地について仮に使用し、若しくは収益することができる権利の目的となるべき宅地若しくはその部分について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができるものとし、従前の宅地については、使用し、又は収益することができないものとする。
  • 第99条第3項
    前二項の場合においては、仮換地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、前条第五項に規定する日から第百三条第四項の公告がある日まで、当該仮換地を使用し、又は収益することができない。

換地処分が完了するまでは、所有権(賃借権)は従前地に残り、仮換地として指定された土地に使用権や収益権が移ります。
この部分が第1項に記述されています。

一方、仮換地として指定した土地の元々の所有者に対しては、所有権(賃借権)が残りますが、使用権や収益権は無くなります。
この部分が第3項になります。

換地処分の終了前の土地取引は“従前地”を対象にした契約になることを覚えておきましょう。

使用収益の停止-第百条第二項

前項の規定により宅地又はその部分について使用し、又は収益することが停止された場合においては、当該宅地又はその部分について権原に基き使用し、又は収益することができる者は、同項の期日から第百三条第四項の公告がある日まで、当該宅地又はその部分について使用し、又は収益することができない。

土地区画整理事業区域内の土地所有者の中には、土地面積が少なく換地された場合に使用できないほどの面積になってしまうこともあります。
そのような場合は換地せずに換金することになります。換地しないので仮換地は指定されないのですが、従前地に該当する土地の権利はあります。そこで、使用する権利や収益の権利を停止することによって、従前地に該当する土地上での工事を可能にするための定めがこの条文です。

このような土地が売買の対象になることもあります。

住宅先行建設区における住宅の建設-第百十七条の二第一項及び第二項
大きな宅地分譲開発では、区画整理事業中に部分的に住宅を建設する区域を設けて、販売促進を行ったりします。
そのような区域を住宅先行建設区と指定し、期限内に住宅を建設しなければなりません。

土地区画整理法抜粋ページに関係する法律を読みやすく編集した条文を掲載しました。

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