建築条件付の土地を購入して注文住宅を建てるのはベターな方法なのか

宅地分譲のひとつのパターンとして建築条件付きという販売方法があります。土地の売買契約後、一定期間内に建築工事請負契約が成立することが条件です。

建築条件付土地につきものの不安点

いい土地があったけど、建築条件付!・・・さて、どうしよう?
こんな悩みをかかえる人もいます。
答えは簡単です!・・・・・建築会社に不安を感じるようだったら、止めましょう。

建築条件付の土地には、ハウスメーカーが在庫で持っている土地、あるいは販売代理で販売している土地と、土地を販売している不動産会社が、関連会社の建築条件付で売り出している土地があります。

ハウスメーカーの建築条件付であれば、そのハウスメーカーが、検討しているハウスメーカーの候補に入っている場合には、検討の余地は充分ありますが、検討からはずしたメーカーであれば、検討する必要はありません。問題は、まだ検討していないハウスメーカーだった場合です。

建築条件の土地購入は、土地の売買契約から3ヶ月以内に、住宅の工事請負契約に至らなかった場合には、契約が解除されるという、停止条件特約付き契約となります。契約解除によるペナルティーはありませんから、とりあえず土地の契約をして、住宅を検討をし、納得したら工事契約、納得できなかったら契約解除する。
こんな考え方なのですが、せっかく釣り上げた魚を逃がす事にもなるので、ハウスメーカーとしては必死で喰らいついてきます。

いざとなったら逃げ切る自信があれば、やってもいいかもしれませんが、逃げ切れる人はあまりいないのでは無いかと思います。
そこで、短期間でハウスメーカーの見極めをする方法をお伝えします。

ハウスメーカーを見極める方法

ハウスメーカーの担当者から、現在工事中の現場を5件ぐらい教えてもらいます。
多ければ多い方がいいのですが、目安は5件です。1件や2件ではダメです。

教えられた現場の中で、一番遠いところにある現場を見に行きます。
現場に行って、何を見るかというと

  • 現場の片付け具合
    ゴミ、残材の保管状態、特にコーヒー缶・ペットボトル・タバコの吸殻などが、散らかっていないかを確認
  • 作業をしている態度
    職人さんたちの服装、機敏さ、明るさや、ヘルメットの着用など社内でのルールが決っていますので、その通りに行動しているかどうかを確認
  • 材料の保管状態
    現場にはこれから使われる材料などが保管されています。それらが整理されて保管されているかどうかを確認
  • 土足厳禁の励行
    現場内に入る入り口には、建主用のスリッパなど上履きが用意されているかを確認
  • 仮設トイレの汚れ具合
    現場には必ず仮設トイレがありますが、トイレ内がキレイに保たれているを確認

以上のような点を確認します。
特に、最後の仮設トイレの汚れ具合が、一番そのハウスメーカーの仕事への姿勢を表しています。

設立間もない新しい会社は別として、20年以上の実績があるハウスメーカーは、ひと通り市場からの教訓というものを学んでいます。つまり、どのように工業化が進み、現場での作業が合理化されたとは言え、所詮、住宅は現場で人の手によって最終的に組み立てられるものです。

人の手によるということは、現場で作業をする職人さんたちのメンタルなものが、作るものに与える影響というものがあります。
展示場でうまいことを言われ契約をし、着工したら工事の仕方がいい加減で、ひどい住宅を建てられてしまった。
といったことが多い会社は、やがて住宅市場の信頼を失い、姿を消していきます。

建主の信頼を得ることは、トイレを清潔に保つことから始まるということを、長年事業をやっている会社は理解しています。
建主を甘く見て、いい加減な現場管理をやっていると、簡単に信頼が無くなることを知っています。

住宅をつくる技術は、この20年間でほぼ一定レベルまで、どこのハウスメーカーも達しています。
異なるのは、一人ひとりの職人さんが、建主のことを考えて作業をするレベルに達しているかどうかなのです。
建主のことを考えて仕事をする職人さんばかりであれば、自然と仮設トイレも常にキレイにしようという意識が働くものです。

仮設トイレの中を確認するトーク

誰も知った人もいない現場に行くわけですから、どう言ってトイレの中を見ようかな?・・・と戸惑う人もいることでしょう。
そんな時の話し方です!

現場に着いたら、職人さん誰でもいいですから声を掛けます。
『○○ハウスさんで検討しているのですが、現場を見させて下さいと頼んだら、ここの現場を教えられたのです。チョッとお邪魔していいですか?』と話してみて下さい。
まず『あ~どうぞ!』という答えが返ってきたらとりあえず合格です。
迷惑そうな、いや~な顔をしたら、その時点で不合格です。

次に『チョッとトイレを貸してくれませんか?』と頼むと、簡単にトイレの中を確認できます。
遠慮や控えめな態度は必要ありません。堂々とやって下さい。

工事契約までは3ヶ月しかない

『この会社なら大丈夫かな』と思えたら話を進めます。
建築条件付は工事契約まで3ヶ月しかありませんから、プランの検討から始まり、仕様の決定・見積と、一連の検討項目をスケジュールに則って進めていきます。

時間が無くなって、見切り契約だけは絶対にいけません。その為にも、「新築住宅の計画で最も大事なのはプランニング」で書いたように、事前にプランの検討をしておかないと、後悔する事になります。

新築住宅の計画で最も大事なのはプランニング
住宅プラン、間取りとも云いますが、プランは単に部屋の大きさや配置を決めるものではありません。これから始める生活の仕方と、将来の生活スタイルを反映したものになります。 プランの検討には十分な時間が必要 ハウスメーカーで建てるのか、工務店で建て...

以上、説明しましたように、私は、建築条件付の土地について、一概にダメ!という考えは持っていません。
3ヶ月間の中で、納得のいくプランがまとまるようでしたら、建てる会社にもよりますが、土地を取得する有効な方法だと思っています。

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