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耐震性能を高めるリノベーションの手順と注意したいポイント - MyhomeData

耐震性能を高めるリノベーションの手順と注意したいポイント

築年数の経過した戸建住宅を購入したり相続したりした物件を、リノベーションにより新しい住まいを造ろうという考え方が多くなっています。内外装の表装工事によって見た目は新築同様になるわけですが、構造上の検討を行わずに表面的な工事に終わっているケースもあります。平成12年以前の木造住宅は耐震性能的に不安のある建物が多く存在しており、リノベーション計画では耐震性能を高める工事を優先してほしいものです。

耐震補強を含めたリノベーション計画

耐震性能を高めると同時に、生活スタイルにマッチした住宅づくりを実現するリノベーション。
リノベーション計画を立てる上で重視したいポイントをまとめてみました。

リノベーションプランの作成についての考え方

リノベーションする戸建住宅は比較的築年数が経過した物件が多いものです。
築35年とか築40年とか、昭和56年の新耐震基準前の物件を大規模に解体し、基礎と骨組みと屋根だけの状態にしてから新しい住宅に造り直す事例がほとんだと思います。

新築のプランを検討するのとは異なり、既存の基礎と骨組みを変えないでプランを作るところがけっこう面倒かもしれません。骨組みについてはある程度の変更が可能な場合もありますが、基礎の増設が必要になるとコストアップになりますので、できるだけ骨組みの変更はしないようにプランを考えます。
ただし増築が前提の場合には、もうすこしプランニングが楽になるかもしれません。

リノベーションでは水回りの位置を大幅に変更することが多く、既存の配管は撤去することを前提にした方がよいと思います。耐久性の面でも給水・給湯・排水の配管は新規に行うほうが安全です。

新築のプランを考える時も同じことですが、こんな生活がしたいといったコンセプトを明確にすることがなにより大切です。

耐震要素の配置計画と制振装置の設置

プランニングがまとまったら、リノベーションの目的の一つとも言える耐震補強計画を立てます。

既存の筋交いや柱・梁などの耐震要素のほとんどは、釘打ちや羽子板ボルトによる接合によるので、新たに金物による接合を前提とします。
耐力壁の配置は平成12年改正の耐震基準にもとづき設計します。

耐力壁は筋交いに加えて構造用合板張りなど面材を張ると壁倍率が大きくなり、耐震性能をより高い住宅にすることができます。

耐震基準は数百年に一度発生する地震で倒壊・崩壊しないレベルの強度を言っています。

耐震等級』という言葉があります。住宅の性能表示制度で設けられた耐震性能を数値化して表示するのですが、3等級に区分されています。

  • 耐震等級1:建築基準法と同じ耐震性能
  • 耐震等級2:建築基準法の1.25倍の耐震性能
  • 耐震等級3:建築基準法の1.5倍の耐震性能

耐震性能を高める目的で行うリノベーションでは「耐震等級3」以上を目標として設計したいですね。
できれば建築基準法の2倍が望ましいという構造専門家もいます。

耐震設計に際してはもうひとつ検討したいことがあります。
制振装置の導入です。

新築する時には取り入れたい地震対策は制振装置
大手ハウスメーカーではすでに採用されている制震システムや制震装置。その有効性や導入にあたっての注意点などを考えてみます。 制震装置のしくみ 制震とは地震力を制御するというような意味合いから生まれた言葉ですが、正確には、地震力ではなく振動を制...

制振装置は耐震力を高めるものではありませんが、地震による揺れを軽減してくれます。
構造部材の接合部に加わる力を軽減したり、家具などの転倒や備品の損害を防いでくれる効果があります。
制振装置の設置は耐力壁の施工時にしかできません、後から導入しようとすると耐力壁を解体しなければならず無駄な費用が生まれます。制振装置を設置するならリノベーション工事と同時にすべきです。

既存基礎の健全性と地盤強度をチェック

リノベーションの計画をまとめる作業と並行してやっておきたいことがあります。基礎の健全性の確認です。

耐震補強工事は土台から上の構造体が対象になっていますが、基礎の健全性つまり強度が足りないと、上部構造ばかりを強くしても意味がありません。
耐震補強工事を行うと部分的に大きな力を負担する耐力壁が四隅に配置される傾向があります。
大きな力を負担する耐力壁の基礎には非常に強い引き抜き力がかかります。
基礎の強度が劣化していると、アンカーボルトが基礎から抜けてしまい、建物が転倒する原因にもなります。

  • 鉄筋の有無
  • コンクリートの強度
  • ひび割れなどの劣化具合

などを確認して基礎の強度に心配が無いか、もしも問題がありそうな場合は基礎の補強工事も必要になります。
築年数の古い住宅の場合、100パーセントと言っていいぐらい地盤調査を行っていません。
住宅が建つ敷地の地盤の強度を知っておくことは大切なことです。

建物を頑丈に造っても地盤の強度が弱く、不同沈下を起こしたり地震時の液状化現象により、住宅が傾くこともあります。地盤に不安がある場合はリノベーションは断念し、建て替えを検討するほうが賢明だと思います。

リノベーションか新築か~究極の選択

リノベーションは既存の基礎や骨組みを活用するので、工事費用は安くあがると思われがちですが、既存部分のほとんどを解体しますし、解体作業も丁寧に行う必要があり、大変手間のかかるものです。
費用的にはローコストの新築住宅よりも確実に高くなります。

建築基準法や都市計画法など関係法令上、建て替えが出来ないとか、思い出のつまった住宅で、建て替えのために解体をすることが心理的に無理な場合など、どうしても既存の住宅を利用しなければならない理由があれば別ですが、リノベーションそのものが目的で行うというケースは、あまり賛成できません。

築年数がまだ浅く既存部分をそのまま利用できる割合が30%~40%以上あれば、リノベーションによって耐震性能を上げたり、断熱性能を上げて居住性を高めるなど、費用対効果の期待が持てそうで、リノベーションにチャレンジする意味があるように思います。

一種のブームになっているようなリノベーションですが、冷静に検討することをお勧めします。

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