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自宅を売らないで借金を整理する個人再生とは

住宅ローンの返済が難しくなる原因として、住宅ローン以外の借金の増加があります。
マイカーローン、教育ローン、トラベルローン、メディカルローン、ショッピングクレジット、消費者金融、いつのまにか膨らんでいる借金返済に、生活が破たん寸前という深刻な状態に。
借金の整理をして身軽になりたいけど、マイホームは失いたくない。そんな時に検討したいのが住宅ローン特例を使った個人再生

自己破産をせず債務を圧縮して生活の再建を図る個人再生

債務整理つまり借金の整理には

  1. 任意整理
  2. 個人再生
  3. 自己破産

の3種類があります。

自己破産は債務のすべてを免除してもらう代わりに、自宅を含めた資産はすべて無くなります。
任意整理は法的な拘束力は無く、返済条件の変更範囲も金利の減免ぐらいしか見込めません。住宅ローンに関しては返済年数の延長や、元金据置も短期期間であり、たくさんの債権者がいる場合や、債務者の収入環境に大きな改善が見込める場合以外は、任意整理の効果は期待できません。

個人再生は裁判所に申立てをして行う方法で、法的拘束力もあり住宅ローン特例を使うことによって、マイホームを手放さずに債務整理が可能な方法です。

個人再生による債務整理の流れ

個人再生の具体的な方法について解説していきます。

個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類ある
小規模個人再生
個人商店や小規模な個人事業を営んでいる人が対象で以下の条件が必要とされます。

  • 債権者が再生手続きに同意することが必要。(債権者の数および債権額で、半分以上の反対が無いこと)
  • 再生計画に基づく返済期間(3~5年)継続するか反復する収入があること。
  • 住宅ローンを除く借金が5,000万円未満。
給与所得者等再生
事業主では無い給与所得者を対象としており以下の条件が必要とされます。

  • 再生計画に基づく返済期間(3~5年)継続するか反復する収入があり、所得の変動幅が年間20%以下であること。
  • 再生計画にもとづく弁済額が可処分所得の2年分以上になること。
  • 住宅ローンを除く借金が5,000万円未満。

この要件を満たすことが出来ると個人再生の可能性があります。

手続きはまず弁護士に相談することからスタートです。
弁護士に依頼する
個人再生の手続きは裁判所に対して申立てするのですが、書類もたくさんあり厳格に進められるので、弁護士に依頼するのが間違いのない方法です。
弁護士が引受けると受任通知書を債権者に郵送します。受任通知書が発送されることによってその後取立ては無くなります。
裁判所へ申立てを行う
書類を整備して裁判所へ申立てしますが、必要な書類は本人が集めなければなりません。準備と確認などの作業の為およそ1ヶ月はかかります。
申立てをすると裁判所によっては「個人再生委員」を選出することがあり、申立て費用は再生委員の報酬も含めるとおよそ20万円前後になります。
債権の確認と再生計画案の提出
裁判所は債権者・債権額の確認を行い、再生計画の対象となる債権を確定します。確定した債権に対して返済計画を立案します。
返済期間は最低3年間で組立ます。
再生計画の認可と返済開始
再生計画に基づき返済テストを行う裁判所もありますが、申立てからおよそ6ヶ月後には計画が認可され、返済が始まります。

個人再生の注意点

債務が整理されて返済を迫られる督促状や催告書に頭を悩まさずに済みそうですが、注意点もありハードルは結構高いのが個人再生です。

債権者平等の原則
債権者は平等にするのが原則なので、A社には半分以上の弁済をするが、B社には2割しか弁済しない、などの特別扱いは出来ません。
個人再生の効果は本人だけ
保証人のついている借金の場合、本人は減免できても保証人の弁済義務は無くならず、保証人に一括弁済の請求が行く。
事故情報として登録される
個人再生に関する事項が官報に掲載され、信用情報機関に登録されるので、5年~10年は新たなローンやクレジットが組めない。
再生計画の返済は遅れてはならない
再生計画が認可されて返済条件が緩和されたのに延滞を起こしてしまうと、債権者から「個人再生の取消」を申立てられる場合があります。
(*申立て出来るのは、再生計画の債権額の1/10以上の債権を有する債権者に限定)
信用情報機関については下の記事を参考にして下さい。
滞納履歴が信用情報に登録されると任意整理は難しくなる
信用情報機関には支払い状況が登録されることもあり、延滞があれば延滞の履歴が登録されることもあります。 ローンの返済が難しくなりはじめ、返済額の減額などの債務整理を使用とする方法の中に“任意整理”がありますが、信用情報機関に登録された内...

再生計画が決定すると計画通りに返済しなければなりません。途中で事情が変わり返済が苦しくなった場合、返済期間を3年間から5年間への延長が認められることもありますが、債権者から取消が申立てられるようなことがあっては、個人再生を開始した意味が無くなってしまいます。

自宅を手放さなくてもよい住宅ローン特例とは

個人再生についての概略はなんとなく分かったかと思いますが、個人再生の目的は自宅を守ることです。
自宅を手放さずに借金返済を楽にする方法、本題はここからです。

個人再生では住宅ローンはどうなるの?
債権者は平等だから、住宅ローンの返済も減額できるの?
住宅ローンの返済は減額できないので、住宅ローンだけは特別扱いをするんです。
特別扱いは禁止のはずでは?
住宅ローンを特別扱いをする為の制度が「住宅資金特別条項(住宅ローン特例)」なんです。

住宅ローンの特例とは民事再生法第203条(住宅資金特別条項を定めた再生計画の効力等)に定められた規定です。個人再生計画の中に住宅ローンに関することを盛り込むのですが、具体的には次のような条項を記載します。

  • 住宅ローン返済の延滞している分を3年間で返済し(元金+遅延損害金)、正規の返済分は従来の条件で返済することによって期限の利益の喪失を回復します。
  • 返済期限の延長によって返済負担の軽減を図ることができます。但し完済年齢が70歳以内、延長期間は10年まで。債権者の同意があれば10年以上も可能。
  • 再生計画の返済期間中は住宅ローンの元本を据え置くことも可能。

このような特別条項によって、住宅ローン以外の借金返済の軽減分を、住宅ローンの延滞分の返済に充てることができるので、再生計画通りの返済が完了した時には、他の借金は無くなっており住宅ローンの返済も通常にできるようになるので、自宅を手放さずにすむわけです。

では、住宅ローンの滞納がつづいていて保証会社が代位弁済をした場合にも個人再生はできるのでしょうか?
このつづきは「代位弁済後でも可能な住宅資金特別条項の利用」で。

代位弁済後でも可能な住宅資金特別条項の利用
「自宅を売らないで借金を整理する個人再生とは」で解説したように、“住宅ローン特例”を利用した個人再生だと、自宅を手放さずに借金の整理をすることができるのは分かりました。では、住宅ローンの延滞がつづき、いつまでならこの制度を使って自宅を守...

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