スポンサーリンク

任意売却と競売にはどんな違いがあるのか

競売は法律に基づいた強制力のある債権回収手段です。
任意売却とは違い、所有者や家族の事情とか自宅に対する思いとか、そういった個人的なことは全く無視されます。
ただただ粛々と手続きが進み極めて事務的に自宅の処分が決定し、時期が来たら引越しをしなければなりません。
ここでは、任意売却とはどのような点が異なるのかに注目して、競売について解説します。

競売の流れとスケジュール

競売は債権者が裁判所に対し「競売」の申立てを行うところからスタートします。
申立てを行うと裁判所は書類審査をして問題なければ「競売開始決定」をします。競売開始決定に基づき、対象不動産の法務局は「差押」を登記します。差押が登記されると、所有者(債務者)は自由に不動産を処分することはできなくなります。

競売開始決定から実際に競売が執行され、新しい所有者(買主)に所有権が移転するまでには、半年前後の期間がかかりますが、手続きの内容を順に説明していきます。

競売の準備

競売開始決定通知書が届きます。
「・・・不動産競売手続きを開始し、債権者の為にこれを差し押さえる」といったようなことが書かれている簡単な文書です。

それからしばらくすると「調査の連絡」が文書で届きます。
任意売却の場合でも大事なことでしたが、差押えた不動産がいくらで売れるか?ということです。

競売手続きでも同じで、売り出す価格を決めなければなりません。
その為に、住宅の現況を調査して売り出す価格=「売却基準価額」を決めます。
調査には裁判所の執行官と不動産鑑定士それに、留守の場合に玄関の鍵を明けて入室する為の“鍵屋”さんが同行することがあります。

「調査の連絡」文書には、立入リ予定日時が記載されています。そして事前に執行官に連絡する日時も記載されているので、立入リ予定日が都合がいいとか、悪いとか、必ず期日までに連絡をします。
連絡をしないで留守にしてしまうと、鍵屋さんが鍵を明けて勝手に入室し、室内の写真を撮影されてしまいます。

*任意売却ではこのようなことはありません。

調査が終わり「売却基準価額」も算定できたら、競売を行う期日を記載した「通知書」が届きます。
通知書には次のような大事なことが書かれています。

  • 入札期間(入札開始日時と入札終了日時)
  • 改札期日
  • 改札場所
  • 売却決定期日
  • 売却基準価額と買受可能価額(買受可能価額は売却基準価額の8割)
宅建業者が継続して任意売却に向けて活動している場合、競売を取り下げることができるのは、入札開始日までです。
それまでに任意売却が成立しない場合には、競売が実施されてしまいます。

競売の実施

通知書通りの予定で競売は実施されます。
入札期間は裁判所によりますが1週間~2週間、売却決定期日は入札終了日のおよそ1週間後になります。

売却決定期日から1週間経過すると、最高値で入札した人(買受人)に売り渡すことが確定します。
買受人はそれから1ヶ月以内に代金を納付します。
代金納付を確認すると裁判所は、法務局に嘱託して所有権移転登記がされます。

その後は、初めて会う買受人との間で、引越しの日程などの協議をして引渡しをします。(宅建業者が助言や仲介をするようなこともありません。)

*任意売却では、売買契約時に家族の都合なども考慮しながら、引渡し期日を協議して決めることができます。

残債務の返済

任意売却の場合は、返し切れなかった住宅ローンの残債務を長期の分割払いなどで、債権者と協議することも出来ますが、競売では売却までに債権者やサービサーと顔を合わすこともありません。

残債務の返済については、債権者によって異なり、サービサーを通して回収することが一般的ですが、場合によっては自己破産によって債務を免責することも考えなければならないかもしれません。

まとめ

任意売却の場合は、最初から引渡しまで、宅建業者がアドバイザー的な役割もしながら、所有者(債務者)の方のフォローをすることが出来ますが、競売ではそのような相談相手はいません。
顔を合わす執行官も不動産鑑定人も、裁判所の仕事としてやってくるだけです。

どんな人に買取られるのか、まったくわからないまま自宅は売られてしまいます。
引越しのスケジュールも最後の最後まで決めることができません。

住宅ローンの返済が滞るようになった時、なんとか競売を避けて任意売却で債務整理できることを願うばかりです。

コメント