終わりのないウッドショック~ロシアから第2ステージがはじまる

丸太

ウッドショックが業界の話題となって1年が経ちます。ウッドショックの原因の1つであったアメリカの住宅需要は、金利上昇により一服感がでてきて需給の緊張関係は薄らぐだろうと思われます。

ところが供給元に大きな変化がおきました。いうまでもなくロシアによるウクライナ侵攻です。

日本政府は2022年4月12日閣議決定し、ロシアからの輸入禁止品目に木材を追加しました。施行は4月19日になりますが、3か月間の猶予措置があるため7月20日以降、ロシアからの木材輸入が不可能になります。

参考:外国為替及び外国貿易法に基づく経済産業省告示の改正について(ロシアからの一部物品の輸入禁止措置)

ウッドショックは需給バランスのほかにも、コンテナの不足や港湾業界での人材不足なども関係しており、解消には時間がかかると予想されていました。しかしロシアが言う「特別軍事作戦」が国際的な非難を生じさせ、ロシアからの木材が調達できなくなったわけです。

国内における木材関係の資材輸入量に占めるロシア産の割合は以下のような状態です。

木材輸入量
引用:木材輸入の状況について

製材輸入量のうちロシア産は約18%を占めています。木材全体ではロシア産の占有率は6.3%とある程度の影響がでる可能性は高いでしょう。

ロシア産の製材に関してはパワービルダーの「飯田グループホールディングス」が、2021年11月26日のリリースにて「ロシア沿海地方で木材加工工場の操業開始」を発表していました。

さらに2021年12月8日には「Russia Forest Products 社の株式取得」について発表しました。RFP社は飯田GHDが年間供給する約4.6万棟に使用される木材に相当する170万m3の原木を伐採しており、RFP社の子会社化によりウッドショックの影響を解消できる見込みだったのです。

RFP社の株式取得に対しては600億円を投じており、今後の推移が注目される状況です。

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