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隣との境界に塀を造る際に注意したい法律上の知識

お隣との境界に塀を造ったり、購入する予定の中古住宅にある境界線上の塀など、塀にまつわる話をまとめました。
住宅とは違い脇役的な塀ですが、意外と面倒な法律問題もあります。

境界線上に塀を造ることが出来る条件

塀はお隣との境界をはっきりさせる目的もあります。
薄いとは言え10cm程度の厚さにはなるので、敷地を有効に使う為に、お隣との境界線上に造りたいのですが、勝手に造っていいものなのかどうでしょう。

お隣と費用を出し合って造る塀

境界線上に塀を立てるにはお隣と話し合いをする必要があります。
塀の材質や形・デザイン、高さとか色など、決める要素はたくさんあり、一番やっかいなのが費用です。

民法第225条、226条には『各所有者は、他の所有者と共同の費用で、境界に囲障を設けることができ、設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。』とされています。
さらに第227条には『相隣者の一人は「囲障の設置」で規定している材料より良好なもの、又は高さを増すことについては、費用の負担をすることによってできる。』と規定されています。

つまりわかりやすく書き直すと次のようになります。

境界線上に塀を造る場合の費用は原則的に折半ですが、より上等な材料にしたいとか、高さを増したいなど、費用が高くなるような希望を一方がする場合、その費用の増分を希望する人が負担すればできます。

お隣と話し合いが付かない場合の塀

お隣との話し合いが付かない場合でも、境界線上に“塀もどき”を造ることはできます。その内容についてやはり民法で規定されています。

民法第225条2項には次のような規定があります。
『当事者間に協議が調わないときは、板塀又は竹垣その他これらに類する材料』で作るもので高さが『二メートル』とされています。
つまり次のようにまとめることができます。

お隣同士で話がまとまらない場合、板や竹などの簡単に撤去できるようなものなら、高さが2メートルを超えない範囲で、境界線上に作ってもいいです。

とこのように“塀”といえるほどの頑丈なものではなく、簡単な造りのものなら境界線上に立てていいということです。

境界線上に塀を造ることの是非

境界線上に塀を立ててもよい条件を書いてきましたが、将来的なことを考えると、境界線上に塀を造ることにはいろいろと問題があります。

  • 費用を折半することは共有物になるので、将来の修繕や解体・造り替えなど、必ずお隣と協議をしなければならない
  • 仲のよかったお隣の家の所有者が替わり、話がしづらくなった
  • 土地・建物を売却することにしたが、共有物があるので売りづらい

など、所有権が共有だからこそ出てくる問題があります。
また、共同で造る場合、自分の好みだけではできないといった煩わしさもあるので、自分の敷地内で完結できるように造る方が望ましいのではないかと思います。

敷地内で塀を造る時の注意点

塀を自分の敷地内、境界線の内側に造る際に注意したいポイントがあります。

工事中にお隣の敷地を利用することや、完成後のメンテナンスなどでお隣の敷地を利用することなど、どうしても自分の敷地内ですての作業が出来ないこともあり、作業スペースを確保する目的で境界線からある程度離して塀を造るということがあるかも知れません。
こうすると、見た目の上では境界線が移動したように感じます。
つまり、お隣の敷地が増えた状態になります。

塀以外に明確に境界が分かる境界標があればいいのですが、もし無い場合、長い時間が経つと境界線の位置が不明確になり、作業用のスペースとして空けた部分をお隣の方が“お隣の土地”として使用することも考えられます。

このような状態で10年とか20年とか経過すると“取得時効”によって、所有権がお隣にあると主張されることもあります。

境界を明示する為の塀は、工事の際にはお隣に話をして、境界ぎりぎりに造ることが望ましいと思います。

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