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不動産売買契約と引渡・決済の望ましい場所はどこ?

不動産の売買は大きな金額の取引になります。契約や決済・引渡しを行う場所はどこでもよいということは無く、ケースバイケースで望ましい場所があります。売主や買主が遠方の場合にはどうするかということも考えなければなりません。ここでは、契約当事者の属性によって契約などの場所をどのようにするかをまとめています。

契約パターンによって契約と決済・引渡しの場所が変わる

売主と買主の属性による契約パターンは下のように4通りあります。

業者売主 一般売主
業者買主 A1 B1
一般買主 A2 B2

それぞれのパターンによって、契約や引渡・決済を行う場所としてどこがよいのか説明します。

売主も買主も宅建業者の場合(A1)

売主も買主も宅建業者の場合は、売主に対する重要事項の説明は必要がありません。重要事項説明書は売主に手渡せばよいわけで、契約の場所は次の3通りあります。

  1. 売主業者の事務所で行う
  2. 買主業者の事務所で行う
  3. 媒介業者の事務所で行う

基本的に契約の場所はどこでもよいのですが、本人確認書類のコピーを取るとか、契約書を1通で契約する場合は契約書のコピーを取るとか、コピーが取れる場所の方が理想です。

業者同士の取引では持回りで行うことも多く、手付金の支払いは振込による場合もあります。
振込の場合の振込時期についても、業者間の取引なので「宅地建物取引業法第47条3号」に抵触することもなく、当事者間で取決めることで問題ありません。

持回り契約における締結日は、契約書への記名押印が売主か買主いずれか後になった日付とするのが自然です。

引渡・決済の場所も特に決まりがあるわけではありませんが、当日中に所有権移転登記手続きが可能な場所にすることは当然です。

売主が宅建業者で買主が一般の個人または法人(A2)

売主が業者で買主が一般の場合は契約場所が限定されます。

売主が業者の場合、消費者保護の観点からクーリングオフ制度が適用できるようになっています。

クーリングオフが適用できる期間は「クーリングオフの説明を記載した“法定書面”(一般的に契約書)を受取ってから8日間」

売主の立場から見ると、せっかく契約に至ったのにクーリングオフされてはかないません。そこで、クーリングオフが適用できない条件の一つである、限定した契約場所で行うことが多いものです。

“限定した契約場所”とは、売主の事務所や販売代理または媒介を行う宅建業者の事務所や店舗、現地案内所やモデルルームなど、宅地建物取引士が常駐すると定められた場所のことです。

*ただし、買主の都合で自宅に業者を呼んで契約した場合はクーリングオフは適用できません。

以上のようなことから、このケースでの契約場所は売主または売主に関係する宅建業者の事務所などで行うことになります。

引渡・決済の場所は買主がローンを利用して不動産を購入するかどうかで変わります。

買主がローンを利用して不動産を購入する場合の決済場所
買主がローンを申込した金融機関の取扱支店が原則です。ローンセンターなどで申込をした場合は、買主が指定した取扱支店となります。
所有権移転、引渡しに必要な書類の確認を司法書士が確認し、問題が無ければ銀行が融資を実行して、買主の口座に融資金が入金されます。
融資実行が確認出来たら、売主の希望する方法で残代金を支払います。
買主がローンを利用しない場合の決済場所
不動産の売買代金は高額になりますので、安全性を考慮するのが第一です。売主か買主が取引してしている銀行で行うのが望ましく、売主・買主双方が同じ銀行に口座があると理想的です。
同じ銀行に口座があれば、支店はどちらか都合のよい支店に集まり、買主は残代金や諸経費分の「払戻請求書」と通帳・印鑑を銀行職員に手渡し、同時に売主は残代金分の「入金票」と通帳を銀行職員に手渡します。
すると10分ぐらいで、残代金は買主の口座から引き出されて、売主の口座に入金されます。(銀行が混んでいるともう少し時間がかかります)
同じ銀行に口座が無い場合は、売主か買主のどちらかが取引している銀行に集まり、引渡し関係の書類を確認出来たら、残代金の授受を行います。
銀行振出の保証小切手を使用したり、現金持参での決済を行う場合は、売主の事務所や媒介業者の事務所あるいは、買主の自宅でも問題はありません。ただし、当日中に所有権移転登記申請が可能な場所にするのは当然です。

売主が一般の個人または法人で宅建業者が買主(B1)

買主が宅建業者の場合は、あまり難しいことはありません。
買主の事務所や媒介業者の事務所、あるいは持回りでもよいでしょう。
コピーを取れる環境があれば売主の自宅ということもあります。

引渡・決済の場所は、売主が口座を持っている銀行が理想的です。
買主は業者ですので、現金または保証小切手あるいは売主の取引銀行に新規口座を作って、銀行間で残代金の資金移動を行うことも可能です。

売主が一般の個人または法人で買主も一般の個人または法人(B2)

このパターンでは売買契約は媒介業者の事務所で行うことが自然です。
契約当事者が遠方にいるという場合は、持回り契約もあり得ますが、買主への重要事項説明を行うには、買主とどこかで会うことが必要ですから、買主への郵送はあり得ません。
まと持回り契約にする場合、双方の同意が必要であることは言うまでもありません。

引渡・決済の場所については、買主がローンを利用する場合は上に書いた「売主が宅建業者で買主が一般の個人または法人(A2)」の「買主がローンを利用して不動産を購入する場合の決済場所」と同じです。

買主がローンを利用しない場合は、買主の取引銀行の支店に集まり、引渡し関係書類の確認を終えたら、口座から現金で引出し売主に渡す。売主は受取った現金を、売主の口座に自ら振込を行うという手順が望ましいです。

この時、多額の現金が引出しされるので、決済の1週間ぐらい前に、銀行の支店に引出す金額を連絡して、現金の準備をしてもらうことを忘れてはなりません。

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