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「住宅地区改良法」に関して説明すべき重要事項と法律の背景

住宅地区改良事業の施行区域では建築等の行為に対し制限があります。不動産取引の対象地が住宅地区改良事業施行区域である場合は、重要事項説明において制限の内容を説明する必要があります。
ここでは住宅地区改良事業の根拠である「住宅地区改良法」について解説します。

住宅地区改良法で説明すべき条文は第九条第一項です。

(建築行為等の制限)
第九条 前条第一項の告示があつた日後、改良地区内において、住宅地区改良事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築を行い、又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、都道府県知事(市が施行する住宅地区改良事業の区域内にあつては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。

住宅地区改良法最終更新:平成26年6月13日

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住宅地区改良法の概要と制限

古くからある市街地には、生活するのに相応しくない環境や設備内容の悪い住宅が密集して地域があります。
本来は、個人の責任・負担で建替えなどをするところなのですが、自主的な改良が望めない地域について、市町村が主体となって、老朽化した家屋の除却をすすめ公営住宅の建設などにより、市街地整備を行うことを目的として成立したのが「住宅地区改良法」です。

たいへん古い法律で、元になった法律は昭和2年に成立した「不良住宅地区改良法」ですが、昭和35年に住宅地区改良法となり全国各地で住宅地区改良事業が行われました。

現在もこの法律に基づいた事業が行われている地域がある場合があります。
また、事業規模の小さな小規模住宅地区等改良事業を実施している市町村もありますので、制限の適用について確認が必要です。

自主的な改良が望めない地域とは
前面道路が狭いとか接道長さが短い、あるい前面道路が無いなど、接道要件を満たしていない等の理由により、建替え工事が不可能な地域

住宅地区改良法の適用により行う事業は「住宅地区改良事業」といい、次のような条件に該当する地域で行われます。

  • 面積が0.15ha以上
  • 不良住宅の戸数が50戸以上
  • 不良住宅の戸数の割合が80%以上
  • 住宅戸数の密度が80戸/1ha以上

「小規模住宅地区等改良事業」の条件は以下の通りです。

  • 不良住宅の戸数が15戸以上(過疎地における激甚災害に係る事業は5戸以上)
  • 不良住宅の戸数の割合が50%以上

住宅地区改良法による制限

住宅地区改良事業が決定され告示があった日以降は、事業の障害になるような土地の形質の変更、建築物や工作物の新築、改築若しくは増築、5tを超える移動の容易でないモノの設置や堆積は許可が必要です。

まちづくりに関する事業の種類

住宅地区改良事業はまちづくりに関する事業のひとつですが、他にも既存の市街地を再開発に関する事業がありますので、ここでまとめておきます。

  • 市街地再開発事業
    都市再開発法にもとづく事業。権利変換方式の第一種市街地再開発事業と、用地買収方式の第二種市街地再開発事業があります。
  • 優良建築物等整備事業
    地方公共団体等が、市街地の環境の整備改善や良好な市街地住宅の供給等のため、土地の利用の共同化や高度化等に寄与する優良建築物等の整備を行う補助事業。優良再開発型・市街地住宅供給型・既存ストック再生型、の種類があります。
  • 住宅市街地総合整備事業
    地方公共団体等が既成市街地において、快適な居住環境の創出と都市機能の更新や美しい市街地景観の形成などのため、密集市街地の整備改善や街なか居住の推進と地域の居住機能の再生等を図るため、住宅や公共施設の整備等を総合的に行う事業。住宅市街地整備計画に従って行われる事業・都心共同住宅供給事業・防災街区整備事業・都市再生住宅等整備事業・地域居住機能再生推進事業・密集市街地総合防災事業、の種類があります。
  • 防災街区整備事業
    「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」にもとづいて行われる事業。地方公共団体等の他、事業組合や個人でも行うことのできる整備事業です。
  • 街なみ環境整備事業
    街なみ環境整備事業は住宅が密集し、かつ、生活道路等の地区施設が未整備であったり、住宅等が良好な美観を有していな
    いなど、住環境の整備改善を必要とする区域において、地区施設、住宅及び生活環境施設の整備等住環境の整備改善を行う事業。
  • 住環境整備事業
    住環境が劣っている地区について、良質な住宅の供給、公共施設の整備等を行う事業。住宅地区改良事業・小規模住宅地区等改良事業の種類があります。

参照 ⇒ 公益社団法人 全国市街地再開発協会

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