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「都市公園法」に関して説明すべき重要事項と法律の背景

都市公園は全国各都市で整備されており、平成30年3月末現在109,229箇所、面積は126,332haに及んでいます。都市環境の改善と防災性の向上に役立っていますが、ここでは「都市公園法」について重要事項説明で説明すべき内容について解説します。

「都市公園法」で説明すべき内容は第二十三条です。

(協定の効力)
第二十三条 前条第二項の規定による公示のあつた協定は、その公示のあつた後において当該協定の目的となつている公園一体建物の所有者となつた者に対しても、その効力があるものとする。

都市公園法最終更新:平成29年5月12日

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不動産取得者が都市公園法による制限を受ける内容

重要事項説明では上記の第23条を説明するのですが、この条文だけをみてもわかりづらいと思います。
第22条には、「立体都市公園」に隣接し公園と一体的な構造になる建物について、所有者と建物管理に関する協定を締結する定めがあります。

協定が締結されたあとに、この建物の所有権を得た場合には、新しい所有者にも協定の効力が及ぶ点を説明するわけです。

重要事項に関係する部分はここまでですが、そもそも都市公園とはなにか? をみていきましょう。

都市公園法の概要

法律により整備される公園には次の種類があります。

都市公園法 自然公園法 その他
都市公園
  • 国立公園
  • 国定公園
国民公園(皇居外苑、新宿御苑、京都御苑)
地方自治体 都市公園 都道府県立公園 その他の公園

このうち都市公園には次のような細かな区分をおこない、それぞれの役割を規定しています。
*面積は標準面積

  • 住区基幹公園等
    • 街区公園:0.25ha 街区内の住民のため
    • 近隣公園:2ha 近隣住民のため
    • 地区公園:4ha 徒歩圏内の住民のため
    • 特定地区公園:4ha以上 農山漁村の生活環境の改善のため都市計画区域外に配置
  • 都市基幹公園
    • 総合公園:10~50ha 都市住民全般の休息、観賞、散歩、遊戯、運動等総合的な利用のために配置
    • 運動公園:15~75ha 都市住民全般の主として運動のために配置
  • 大規模公園
    • 広域公園:50ha 一の市町村の区域を超える広域レクリエーションのために配置
    • レクリエーション都市:1,000ha 大規模な公園を核としてレクリエーション施設を配置した一団の地域
  • 緩衝緑地等
    • 特殊公園:風致公園や墓園などの特殊な目的
    • 緩衝緑地:公害防止や緩和やコンビナート地帯の災害防止を目的に設ける緑地
    • 都市緑地:0.1ha以上 自然環境保全や都市の景観向上を目的とした緑地
    • 都市林:動植物の生息地や生育地となる樹林地帯の保護を目的とする公園
    • 広場公園:市街地の中心部に休息や鑑賞を目的として設ける
    • 緑道:災害時の避難路を目的とし歩行者路または自転車路を主とした幅員10~20mの緑道
  • 国営公園:300ha 一の都府県の区域を超え広域的な利用を目的とした国が設置する大規模公園

【都市公園の現況】
都市公園データベーストップ

都市公園法の改正により保育園などの建築が可能に

平成29年の都市公園法改正により、都市公園内で可能となった建築物や活性化の内容について、国土交通省が公表した都市公園法改正のポイントにもとづき概要をまとめてみます。

民間活力による公園整備手法を都市公園に導入し再生と活性化を図る
公園内にカフェ・レストランなどの施設設置を許可し、事業からの収益の一部を公園整備に還元させる計画です。そのため以下の条件整備をおこない民間からの算入が容易にできる環境を作ります。

  • 施設設置期間(設置管理許可期間)の延長
  • 建蔽率の特例を設ける
  • 駐輪場や看板・広告塔などの設置を可能にする
  • 民間事業者の公募制度創設
  • 民間事業者に対する事業資金の融資制度
国家戦略特区でおこなわれていた保育所などの設置を全国に広げる
問題化している待機児童の解消を目的として、公園内に保育所などの社会福祉施設の設置を可能にします。
設置が可能になる施設は以下のとおり。

  • 保育所
  • 学童クラブ
  • 老人デイサービスセンター
  • 障害者支援施設

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