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相続した家の特別控除が拡大されて売りやすくなった-譲渡所得税の特別控除のまとめ

2019年4月1日、「空き家の発生を抑制するための特例措置」が拡充されました。譲渡所得税の特別控除の範囲が広がったのですが、現在、制度として存在する「特別控除」の種類や控除額などを、1ページにまとめると非常に分かりやすいのでご紹介します。

現在「特別控除の特例」と名のつく、宅地や住宅の譲渡所得税に関する制度は以下です。

  1. 公共事業などのために土地建物を売った場合の5,000万円の特別控除の特例
  2. マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例
  3. 特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の2,000万円の特別控除の特例
  4. 特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合の1,500万円の特別控除の特例
  5. 平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合の1,000万円の特別控除の特例

控除額の限度は1年間に5,000万円です。
上に記載した制度を①~⑥まで順に適用していき、5,000万円に達するところでおしまいになります。

譲渡所得税が軽減される特別控除の特例

宅地や住宅の譲渡により所得がある場合は、譲渡所得税が課税されますが、不動産の活発な取引を喚起する為、様々な特例措置がとられています。。
ここでは、冒頭の5つの制度について解説します。

特別控除の詳細については国税庁サイトの内容に基づきますが、法改正などにより変更されている場合もあります。ご利用に際しては再度 “国税庁サイト” で確認して下さい。

公共事業などのために土地建物を売った場合の特別控除

租税特別措置法第33条の4による特例措置です。

特別控除額:5,000万円
個人が公共事業などのために土地建物を売った場合、以下の要件を満たしていると特例措置が適用できます。

対象の土地が棚卸資産ではないこと
棚卸資産とは販売目的で一時的に保有している資産のことです。個人が販売目的の土地を所有することは珍しいと思いますが、個人事業主が所有していた土地が棚卸資産であった場合は、売却益は事業所得になり不動産所得とはならないので、特別控除は適用されません。
収用等による土地の譲渡であること
土地収用法や都市計画法により、土地を強制的に取得できる法的根拠がある為、事業施行者からの買取り申出でを拒否できない場合に適用されます。
租税特別措置法第33条、第33条の2の適用を受けていないこと
租税特別措置法には

  • 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例(対価補償金等で他の土地建物に買い換えたときは譲渡がなかったものとする特例)
  • 交換処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例(他の資産と交換処分した場合も資産を買い換え下と同様に譲渡がなかったものとする特例)

これらの特例が他にあり、同じ年にこれらの特例を受けていないことが条件です。

同一の公共事業に複数年に渡り複数回の土地譲渡があった場合は最初の譲渡に適用される
事業によっては2年以上に渡って複数回土地の買い取りをするケースもあります。その場合には最初の1回目の譲渡分が摘要になります。
公共事業の施行者から最初に買い取りの申出を受けた所有者であること
買い取りの申出から実際に譲渡するまでに所有者が変わるケースがあります。申出を受けた最初の所有者が亡くなり、相続や遺贈を受けた人以外の人に所有権が移転された場合は、特例は適用されません。
土地の買い取り申出から6ヶ月を経過した日までに譲渡された土地であること
公共事業は公的な計画に基づいて行われます。順調に計画が遂行される為には土地の買い取りに関しても、予定にしたがって行わなければなりません。特例措置が適用できるのは、買い取り申出から6ヶ月以内に譲渡された土地になります。
公共事業の収用では数種類の “補償金”が支払われることがあり、 特別控除の対象になるのは対価補償金です。補償金の種類については国税庁の補償金の範囲等で確認してください。

マイホームを売った場合の特別控除

租税特別措置法第35条による特例措置です。

特別控除額:3,000万円
マイホーム(居住用財産)を売った場合、所有期間の長さに関係なく、以下の要件を満たしていると特例措置が適用できます。

特別控除が適用できるケース
  1. 自分が住んでる家を売るか、家とともに敷地の借地権を売った場合
  2. 自分が住んでいた家を売った場合又は住んでた家を取り壊して敷地を売った場合
  3. 自分が住んでた家が災害によって滅失しその敷地を売った場合
  4. 親などの被相続人が住んでた家や敷地を相続するか遺贈された後に売った場合(被相続人が亡くなる直前まで住んでた家)
  5. 親などの被相続人が所有していた家や敷地を相続するか遺贈された後に売った場合(被相続人が亡くなる直前に老人ホームに入所していて空き家になっていた家)
自分が住んでた家を売った時に適用できる要件
次のいずれかに該当していると適用できます。

  • 売る直前まで自分が住んでいた
  • 以前住んでいた場合は、住まなくなった日から3年経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 敷地を売る場合は、家を取り壊してから1年以内に譲渡契約を締結し、住まなくなった日から3年経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 災害で家が滅失した場合は、住まなくなった日から3年経過する日の属する年の12月31日までに売ること

次のすべてに該当していることが必要です。

  • 売った年の2年前以内に「マイホームを売った場合の特別控除」を受けていないこと
  • 売った年の2年前以内に「マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例」の適用を受けていないこと
  • 売った年の2年前以内に「マイホームの買換えやマイホームの交換の特例」の適用を受けていないこと
  • 売った家や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと
  • 売り手と買い手が親子や夫婦など特別な関係でないこと
  • 居住用家屋を新築する期間中だけの仮住まいや別荘などでないこと
  • この特例を受ける目的のためだけに入居した家でないこと
  • 家を取り壊して敷地を売る場合は、駐車場などに利用していなかったこと
相続や遺贈により取得した家や敷地(親の家など)を売る時に適用できる要件
  • 相続のあった日から3年経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売る直前まで被相続人が住んでいたこと、又は老人ホームなどに入所していて、家は空き家であったこと
  • 敷地とともに家を売る場合は、対象となる家は昭和56年5月31日以前に建築された家で、耐震性能基準を満たすものであること
  • 家を売る場合は、賃貸住宅や事業用に使用していなかったこと
  • 家を取り壊した場合は、譲渡の時までに更地であったこと
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例や収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと
  • 同一の被相続人から相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等について、この特例の適用を受けていないこと
  • 売り手と買い手が親子や夫婦など特別な関係でないこと

自分が住んでいた家や敷地を売った特別控除と、相続や遺贈により取得した家や敷地を売った特別控除は、併用できます。ただし、合計5,000万円が限度です。

特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の特別控除

租税特別措置法第34条による特例措置です。

特別控除額:2,000万円

三大都市圏で、国・地方公共団体・独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社が行う土地区画整理事業等を特定土地区画整理事業と言います。
この事業に、自分が所有する土地を譲渡した場合に特例措置が適用できます。

適用条件は公共事業などのために土地建物を売った場合の特別控除を参照してください。

平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合の特別控除の特例

租税特別措置法第35条の2による特例措置です。

特別控除額:1,000万円

平成21年にこの特例措置が設けられたのですが、地価の推移をみるとこの頃に平均地価は底を打っています。
この時点ではまだまだ地価の下落が懸念されていたのでしょう、土地取引を活性化させようとする施策の一つとして、平成21年から平成22年までの間に土地を購入すると、将来値上がりしても譲渡所得から1,000万円控除するので、どんどん土地を買いましょう!という狙いがあったようです。

特別控除が適用される要件などは公共事業などのために土地建物を売った場合の特別控除を参照してください。

譲渡所得税の計算の仕方は「親から相続した古家の売却で支払う譲渡所得税の計算」が参考になります。

親から相続した古家の売却で支払う譲渡所得税の計算
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