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火災警報器のついてない中古住宅は買わない方がよいか買うべきか

ネット上の記事を見ていて気になる投稿があったので、テーマにしてみました。
「中古住宅の火災警報器」についてです。中古住宅を媒介する担当者としての立場から、「火災警報器のついてない中古住宅」を購入希望者にどう説明するか考えてみました。

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火災警報器の設置義務について

住宅(一定規模以下のマンションやアパートも含めて)に火災警報器を設置するよう義務付けされたのは2006年6月1日からです。義務化されてすでに12年が経過しています。

火災警報器の設置義務は新築住宅から始まり、既存住宅に関しては地方自治体(区市町村)が条例によって義務化を進めたので、最も遅い自治体では2011年6月1日から始まっていると思います。

設置するには決まりがあって、寝室・台所・階段に設置し、壁や天井からの位置も下の図のように決まっています。

火災警報器

4LDKの2階建て戸建住宅だと3~6個の設置が必要です。
*寝室として使用する個室に設置義務があります。

火災警報器ってどんなもの

住宅用火災警報器は病院やホテルなどに設備されている“自動火災報知器”と異なり、熱や煙を感知するとその場で警報音が鳴る簡単なものです。
電池で作動するようになっており、重量は軽く素人でも簡単に取り付け出来ます。

自動火災報知器とは
熱や煙をキャッチする感知器と警報音が鳴る警報ベルが別になっており、報知システムを制御する制御盤が管理室などに設置されている大掛かりなものです。

電源は電池ですが交換が難しく、電池が切れたら本体ごとの交換が必要です。
気になる電池の寿命ですが、取扱説明書や商品説明書には作動時間が10年と表示されているものが多くあります。
ところが、実際に使ってみると5年で切れてしまうことが多いようです。

作動タイプは2種類あります。

金額が高くなりますが“連動型”の方がより効果的ではないかと思います。

住宅用火災警報器のついてない中古住宅

さて、ここから本題です。

住宅用火災警報器のついてない中古住宅の媒介を依頼された不動産会社の担当として、この件(火災警報器型ついていかいコト)に関してどうするかです。

なぜ警報器がついていないのか?
義務付けされている警報器がなぜついていないのか不思議に思うかもしれません。
2011年以降の新築住宅には必ず付いているのですが、それ以前の住宅には付いている物件と付いていない物件があります。
何故ついていないのか?・・・・・いろいろ理由はあるかもしれませんが、売主さんが付けていなかったからです。

住宅用火災警報器の設置義務については罰則がないことから、付いていない物件は意外と多いものです。

平成30年6月1日時点の全国設置率は81.6%、条例適合率は66.5%~総務省報道資料

警報器を付けていない割合は約2割、付けていても自治体の条例に適合していないのが約3割、こんな感じです。
また、付いていても電池が切れているとか、もうじき切れそうだということもあり、付いているからOKというわけでもありません。

警報器のない物件の対処方法

買主さんあるいは購入希望者の方には、素直に「住宅用火災警報器は義務ですが付けていません」と説明するのが一番です。
警報器が付いているかいないかで、物件の購入判断をするケースはほとんど無いと思います。

ネット上の書込みで「売主さんのコンプライアンス意識」を問題にする内容のものがあり、このページを作成することになったのですが、正直、『そこまで言うの?』と記事を読んで思ったものでした。

付いている物件を購入しても、いつまで作動するのかはっきり分からないより、購入時に新たに設置する方が安心だと思います。

中古住宅の購入時には、付いていても付いていなくても、買主さんに『新しい警報器を付けてください』と勧める方が、媒介業者としてはベターな対応だと思います。

住宅用火災警報器の豆知識

住宅用火災警報器の取扱いについて知らないでいると、せっかく設置しても何の意味もないことになります。
ここでは、知っておきたい火災警報器の豆知識をご紹介します。

住宅用火災警報器の寿命は?
ほとんどのメーカーが10年で本体ごと交換するように勧めています。器具の種類によって電池の交換が可能なタイプもありますが、電池以外の電子部品の劣化などがあり、正しく作動しない可能性があります。
電池切れをチェックする方法
電池切れをチェックするには二通りの方法があります。本体には設置時の初期設定に引く紐が付いていたり、ボタンが付いています。設置後も引き紐やボタンで警報音が鳴り、電池が切れているかのチェックができます。もうひとつは電池の残量が少なくなると警報音が鳴り、知らせてくれます。
火事でもないのに警報音が鳴る
誤作動が起きることがあります。原因としては殺虫剤の使用、タバコの煙、調理の水蒸気、雨漏れなどによって作動し、警報音が鳴る場合があります。
単独型と連動型どちらがよいか?
単独型は1個1個が独立して作動しますが、連動型は隣の部屋や2階で出火しても1階の部屋で警報音がなるなど、それぞれの警報器が連弩して作動します。
二世帯住宅や隣の親の家との連動も可能なので、より安全性を求めるなら連動型が望ましいです。
熱感式と煙感式とは?
警報器には熱を感知して作動するタイプと、煙を感知して作動するタイプがあります。台所には熱感式を寝室などには煙感式を設置します。

住宅用火災警報器から消防署に通報できるしくみも実はあるんです。
(日本じゃないのが残念ですが・・・)

住宅用火災警報器が「eCall」のようなものになると防災効果が上がる
住宅用火災警報器の設置が義務付けされて10年が経過しました。電池切れの為の交換警報音が鳴って警報器の交換をした方も多いと思います。 10年持つはずが5年で交換したというケースもあると思います。義務付けされた時から感じていた警報器の性能に対す...

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