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ローン特約条項があっても白紙解除できない買主の責任

融資承認が期限までに得られない場合に、売買契約を白紙解除するローン特約条項はほとんどの売買契約には付けられています。
しかし“ローン特約条項”があるから安心だと考えていると、適用されないでトラブルになったり、裁判で違反と認定されるケースもあります。
ローン特約条項の意味と適用について改めておさらいしてみます。

ローン特約条項の種類とパターン

ローン特約条項として定める文言には種類があります。

  • 解除権留保型
  • 解除条件型
  • 停止条件型

これから契約しようとしている建売住宅等の契約書は、売主や販売代理を行う宅建業者が作成したものですが、上の3つの種類のどれかになっています。種類によって契約解除の方法が異なり、解除したつもりが実は解除されておらず解除期限が経過して、違約金を支払って解除することになることもあります。

解除権留保型のローン特約条項の注意点

解除権留保型のローン特約条項の典型的な文言は次のようなものです。

買主は、住宅ローンの融資承認が得られない場合本契約を解除できる。

解除できるという表現になっているのは、買主から「住宅ローンの融資が承認さらなかったので契約解除します。」といった意思表示をすることによって契約解除できるので、意思表示が無ければいつまでも解除できません。
意思表示は確実に売主に伝えなければならないので、“内容証明郵便”で解約の意思を記載した書面を直接売主に送ることが確実です。
媒介業者経由でしかも電話で伝えるだけでは、売主に伝わらずトラブルになることもあります。

解除条件型のローン特約条項の注意点

解除条件型のローン特約条項の典型的な文言は次のようなものです。

住宅ローンの融資承認が得られない場合、本契約は自動的に解除となる。

自動的に解除がポイントです。
融資の否認または期限までに承認が降りないなどの条件が成立したときに、契約は自動的に解除されます。
自動的に解除される形式なので、文書での意思表示は必要の無い方法です。

停止条件型のローン特約条項の注意点

停止条件型のローン特約条項の典型的な文言は次のようなものです。

本契約は、買主の住宅ローンの承認が得られたときに有効となる。

有効となるがポイントです。
住宅ローンが承認されるまでは契約は効力の無いものとなります。
条件が成立するまでは契約が無効なので、この形式でも期限を定めておくことが大切です。

ローン特約条項が有効になる場合と無効になる場合

融資承認が得られない場合、その理由や原因によっては、ローン特約条項に書かれた契約解除に関する規定が無効になる場合があるので注意が必要です。

利用予定の住宅ローンについて詳しく内容を明記する

ローン特約条項を付した売買契約では、住宅ローンの申込を行う金融機関に関することを記入する欄があります。
金融機関名と融資承認予定日そして融資金額を具体的に記入します。

ローン特約

予定日や金額は具体的に書いても、次例のような金融機関を特定できない書き方はよくありません。

ローン特約条項の間違い

このように書くと、金融機関はどこでもよいことになり、第1希望の金融機関で融資が否認されると、第2、第3と、融資を受けられる金融機関を探し続けることを売主から要求されることもあります。
そして最後には「住宅ローンの融資承認を得る義務を果たさなかった」として、ローン特約条項にもとづく契約解除に応じない可能性もあります。

住宅ローン審査に提出する書類に虚偽の記載をして審査を故意に否認させた

売買契約を締結した後に気が変わって契約解除する場合、通常は「手付解除」による解除となりますが、手付解除期限を過ぎると、契約違反による解除で定める違約金の支払いが必要になります。

負担が少なく済んだとしても手付金は没収されるので、住宅ローンの特約条項によって契約を解除しようと考える人もいます。
建売住宅購入での手付金は数十万円という大きな金額です。それを失うのは大変な負担で気持ちが分からないわけではありませんが、その為に審査が否認されるように嘘の書類を提出したり、提出すべき書類を提出しないでわざと審査に落ちるようにするのは、不正行為と言えるでしょう。

提携ローンの場合は売主や販売代理会社に提出書類のコピーが残ります。
媒介業者がローン申し込み手続きを代行した場合には、媒介業者に提出書類のコピーが残ります。

申込内容に不正が無かったかの検証は難しくありません。
不正行為があったとなれば“信義則違反”を問われます。

仮審査(事前審査)から本審査までの間に与信内容が変わった

仮審査(事前審査)が承認され売買契約を締結します。その後本申込(本審査)となりますが、仮審査の時の買主さんの状況が変わることがあります。

  • 失職や転職
  • 離婚
  • 転勤

などがあり、申込要件が消失してしまうことがあります。
そうなると住宅ローンの本審査が承認される可能性は限りなく少なくなります。

このような場合、ローン条項が適用できるかどうかは大変難しい問題です。

住宅ローンの申込要件が無くなる可能性について、契約時に認知していたかどうかによっても判断は分かれます。
もしも、その可能性を認知していたのであれば、契約時の特約条項に条件を加える方法もありました。
認知していなければ、想定外のアクシデントになるわけですが、どちらにしても売主さんとの協議になります。

売買契約書の最後には必ず「協議事項」とか「信義則」など、契約書に明確に規定されていないことが起きた時に、「お互いに誠意を持って協議する・・・云々・・・」という契約約款がありますので、売主と相談することが大切です。

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