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あなたがもらったプランは10分プランかも知れない

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住宅造りの第一歩はプランの検討です。一生涯生活する住まいです、先々のことまで考えてプランニングすることが大切です。ところが現実には何も考えないで作られた住宅がたくさんあります。

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プランをろくに作れない設計担当はたくさんいる

以前ハウスメーカーの設計部にいた頃の話です。
そのハウスメーカーは、営業マンにもプランニングテクニックを身に付けさせる為、定期的な訓練をやり、プランニングにはすごく力を入れていました。

客前プランなる言葉があり、お客様宅で打ち合わせ中に、要望を聞きながら目の前でサラサラとプランを作っていきます。
見ているお客さんはビックリします。目の前でこれから建てようとしている住宅のプランが出来るわけです。

プランの決定までは、何度も何回も作って直し、作って直しを繰り返します。そのため非常に時間のかかるものです。それを目の前でタタキ台ができますので、プランの打ち合わせはドンドン進んでいきます。

要望が100%入ったプランニングはすごく難しい

お客様の要望は、打合せを重ねていくとドンドン増えていきます。それらの要望を、建蔽率や容積率おまけに予算という条件の中で、100%を満たすことはすごく難しいことなのです。
それでも、よりベターなプランを実現しようと設計担当は頑張るのですが、プランほど個人の力量が表れるものはありません。
工事担当は、個人の力量よりは性格の方が重要なのですが、設計は個人の設計力によって、まったく出来上がりが違うものです。

住宅のプランニングは、数稽古が必要なものです。専門学校や大学では住宅プランの教育はやられていませんので、個人でプラン力を身につけるしかないのです。その為日ごろから、味のあるプランを見つけたら、プランに隠された考え方や手法を吸収して、自分なりに勉強していくのですが、いくらやってもうまくならない人もいます。

よくセンスが悪い!・・・・・なんて言われますが、そーゆーことかもしれません。要するにセンスの悪い人はいくらやってもうまくなりません。しかも時間がかかります。

10分間で作ったプランに一生住むの?

さて、タイトルに書きました あなたがもらったプランは10分プランかも知れない についてです。
10分プラン・・・・・つまり、たった10分間で作ったプランが、あなたに提案されているかもしれません。

設計部にいた頃、一度に数件の担当をします。契約前の図面のチェックもあれば、工事途中で変更になった物件の変更図面もあります。そんな忙しい最中に、営業マンから 今晩アポだから、プランを作ってくれ! と頼まれます。
自分で作ったら・・・・・あなたのお客さんなんだから・・・・・ と思うのですが、あまりプランのうまい営業マンではありません。仕方なく、10分待って! と、要望メモを見ながらしばらく考えます。そして、サラサラと10分間で鉛筆描きのエスキースを作ります。

作ったエスキースにもとづいて、営業マンは手描きの図面を作り、色付けをやり、周りにイメージ写真などをペタペタ貼って、一生懸命にプレゼンテーションボードを作っています。
それを見ながら内心 10分間で作ったプランに、お客さんは住むことになるのかな~ と良心の呵責にかられたりします。

こんなやり方が、今でもやられているかどうかは、現場にいませんので分かりませんが、あまり状況は変わっていないのかもしれません。

きれいなプレゼンボードを見ると、お客さんは、10分間で作ったプランとは思ってもいないでしょう!!

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